今週の見方(2月19日)

週末の日経平均は20日移動平均よりも大きく乖離したためにAIが作動した下落でる。先日まではそのまま他の株価が大きく下がるが、出戻って来たTOPIX型の動きで堅調な調整。週末のNY株の動きはアトランタ連銀ボスティック総裁が、「インフレへの勝利宣言はまだできない」とし「利下げには辛抱強いスタンスで臨むべき」と述べたことに続いて、バーFRB副議長が「連銀は商業用不動産に注意している」と述べたことも株価を押さえた。また、リッチモンド連銀のバーキン総裁が、「CPIデータは、利下げに慎重になることを正当化する」と述べたことも売り気分を高めた模様。楽観気分を注意すべき流れが続いている。今年中に6回以上もの利下げ期待は実情から無理だから、NY株は調整して当たり前のことである。

ただSQでもあったし、ここ最近は買い戻しが多く入って、市場は荒れていた雰囲気がある。日経平均はその中、寄与度の高い株式で上げすぎていた反省も入って来ていたから、夜間の先物が大幅安という形になったのだろう。物色対象が変わる時期でもあるし、確かにハイテク相場というのは判るが、ピッチも速かったから丁度良い押し目で、バリュー株の出遅れ物色や、好決算でも下がった株式の見直し時間になるのであろう。

この「ハイテク相場」は年末に話したように、「テック株は今年化ける」という流れは変わっていないが、ソフトバンクはアームという飛び道具があったが、東京エレクについては確かに好業績とはいえ、少し上昇幅が過ぎていたし、他の半導体株の動きはまちまちであるから、日経平均は少し過剰な「選択色」の強すぎる動きであった。今後はこうしたAIの機械的な売りや春節帰りの中国の方々の利食いも入って、38000円を固める反面、利食い売りをした個人投資家が、出遅れ物色や買い戻し的な下げ過ぎ株は注目できるだろう。

確かに、大上段では「テック元年」として技術革新がテーマの相場だろうが、極一部の人気株を取り上げていくネット投資家も多く、そうした市場からは少しズレていくような部分が始まってきてもおかしくないと思う。金融株や電鉄株などの物色も考えられるし、疲れて投げ進められたAI関連株も多く、何が良いと言うよりも「時間を安全で計る」様な買い方に変わると良いと思う。

ピッチの速い日経平均で少しペースが乱れたり、投資判断が判らなくなった投資家は多く、今度の調整で少し冷静になるべきである。