今週の見方(2月25日)

日経平均の強さはイノベーション装着元年で云々よりも、好決算が目立つ部分もあると思う。今回、日経平均が大きく上昇したのは、23年10-12月期GDPの結果と内需や消費の弱さから、日銀は金利を動かすことが出来無いと市場は判断したことにある。通常の景気のリズムでは新型コロナで落ち込んだ経済立て直し支援が切れてしまい、一般的には少しの時間、経済は落ち込むというのが最初のシナリオ。経済数値的にはその様に動いたデータが出て来ている。そこで日銀は過去から「確認」ということを話してきたのであるが、その部分が今回のGDPで「まだ動けない」と判断出来たのだと思う。今回のGDPの数字は本当に良くないと思う。能登の震災もあって内需が狙われてもと言いながらも、なかなか政府予算は上手く回らないし、インバウンドは良くても、物価高からなかなか国内消費は上がらない。

こうした事から「円安」が確定し、海外投資家からすると外需株を買う発想が当り前の投資になり、好業績であっても海外売上比率の高い株式に投資は集中する。その結果が半導体やAI関連と思われたまま買われるのである。実際に東京エレクは90%弱、アドバンテストは95%の海外売上げで、イノベーション関連でありながら日経平均寄与度が高いから、これらが一斉に上昇したら日経平均が爆発的に上がるのは想定出来たと思う。

この流れから週末に日経平均が大幅高したが、NY株のようにイノベーション関連が一斉にという感じではなく、TOPIX型のようなタイプなども多かったのは、日本人にはこの「好決算」を買うと良いう部分とイノベーションが、ピンと来ていないのだと思う。ある意味、宇宙ビジネスも新しい時期に向かっている。AIに関してはデータの活用が変わるし、半導体の開発が進んできたことや、その活用から企業主収益も変わり始めたのだから、活用が手軽になって来たら大分感覚が変わるだろう。

技術的な分析は専門家に任せるとしても、こうした上げは日経平均EPSもまだまだ過熱感はなく、来期収益が出る頃に、また派手な上げが何度もありそうな気がする。こうした結果的に寄与度の高い物が上がるが、それがイノベーション相場の流れと割り切れるようになれば、他の株式の関連含めて良いところを探すことが出来る。しかし、現状の場合は「蚊帳の外」「寄与度の高いところだけ狙われている」と思われている。それ故に、実体と違う日経平均新高値に戸惑うのであろう。そうした部分がイノベーションという期待になって、その中で好業績で日経平均が上がると考えられるようになったら、市場はもう一段上に上がると考えている。

この場面は日本は景気の踊り場であり、企業は数字にムラがある。そうした中で実績として良い物をという考えと、東証が唱える「企業は株価を考えろ」という人為的な売買になってしまうのだろう。