今週の見方【8月25日】
ジャクソンホールが終わり50ベーシスの話が急速に広まっていった。市場では25ベーシスの予想を織り込んだというイメージらしいが、自分は何故強気になるのか理解しにくい。需給で良くなるのは米国であり、ここでピッチが上がるという事は何かを恐れるからであり、世界の金融はが変化のピッチが少し速くなる気がする。過去から変化と効果の様子を見るために25ベーシスの連続を採用することが多く、パウエル氏は利上げの時も遅れたために急速に押し上げ、金融市場に混乱を起こした。
以前も話したように、「良い金利上昇」と「悪い金利上昇」のときがある。今回でも米国の不景気を止めるためなのか、不景気だからやるのかを言う事であり、ペースは「数字を見て」というのであるから、「悪い数字を見たら」50ベーシス行なうという事であろう。過去の場合、悪くなる予兆が出た時に景気の落込みを防ぐために行なったとき、株価は上昇。不況が訪れてからの利下げは、後の大きな不況が現われる可能性が高い。
今回は雇用データの悪化が先に現われて、消費データでは一部のサービス業が強く下がっていない状況。だから、消費を気にするパウエル氏は金利を下げずに来たのだが、雇用は春先からおかしくなっていたと思うし、最近、「雇用を重視」と話されても疑問を感じる。金利下がってから消費がどうなのかという考え方が大事で、とにかく、金利が下がると企業は楽になるし景気は普通は上昇する。しかし、失敗例の多くは「この先も金利を下げる」という言い方が強いと、住宅などは先で金利が下がる時に買おうと買い控えが起りやすくなる。低い金利で買っていた家屋を、高い金利で新に借りれないから、売却しないでいた人や土地の値上がり期待で持っていた人が、ローン金利が下がると一気に売却ということも起るときもある。日本のバブル崩壊はまさにそうであった。今回はそこまではないとしても、気になる部分ではある。
要するに、不動産価格の崩壊が始まる場合もあると言うことである。スピード感ある金利の下落という事になると、為替が動く前に返済しようとするために、現状の9月決算後や12月とか身構えてしまう。いや、あくまでも最悪を考えているが、少なくとも中間決算以後、企業決算は少し割り引かなくてはならないし、米国景気は横ばいと考えるのが精一杯だろう。だとしたら期待感は一部の銘柄にはあっても全体は無理だから、絞り込むような感じの投資にすべきだろう。
内需系や仕手系しか無理だろうし、PERで考えたら日経平均は15.5倍がやっとだと思う。だから、ここで上がってきたら自分は売り上がって手持ちを外して、少し様子を見ようと現状は考えている。今週28日のエヌビディア決算が大事であり、同社が将来を約束するような動きがあるかどうか。この相場は急に上がったり、理由もなく下がったり、意味も無かったり(需給やAIアルゴで動くだけ)であるから、「何があってもおかしくは無い」と身構える人が増えるはずである。