今週の見方【9月15日】

アナリストの企業に対する評価は最近上がって来ているし、景気に対しても弱気ではないコメントは多いです。そして、QUICK 月次調査によると「投資のスタンス」も銘柄や業種の変化はあるが、決して日本株に対して弱気ではない。それでも現在の株価は不安定であるし、米国なのか日本なのか原因がわからない売られ方が続いています。

筆者の経験則では先行きの経済が悪いときは仕方がないが、現状の経済のように良いとも悪いとも言えない場合は、「先行き」や「政策」が大きなカギになることが多いと考えます。そういう時に過去から力の無い総理大臣が生まれたら、当面は当選しても株価が下押しすることが多く、特に金融政策や政策そのものが変わるようだと株価は急落するでしょう。前回の岸田首相の時も米国の金利が上がり始め、国内政策が緊縮型に変わったために、首相が決まってから大きく株価は下がっりました。今回は多くの人が立候補しているために誰が当選するかわかりにくく、それまでは資金は温存と言う事であろう。

同じことは米国でも言えることで、法人税増税と輸入課税では、銘柄が違うために片方の候補銘柄に絞ることができない。米国大統領選が終われば結果的に株価が上がることが多いのは、いつも拮抗しているから投資先が絞れなく、個人の税金捻出売り分、9月は弱くなるケースがあるが、11月の選挙後は誰がなってもご祝儀の様に上がる傾向です。そして、不透明な動きが10月いっぱい続くという事。

そう考えると9月から10月の間のどこかで買い場だとは思うが、ここ最近の上げ下げの幅の大きさから、付き合うのが非常にしんどくなってしまい、落伍した銘柄の株価は無残という感じであります。半導体が下がるなどの花形が下がるのは良いとしても、ごく普通の株式が大きく下がっていくために、信用枠を圧迫してしまい投げてしまうケースも増えて来ている。上がる気がしないという事と、「つまらない」というのが大きな要因のようだが、投資サイクルをもう少し長く考えるべきだと思います。

従って、その材料や企業の良し悪しではなく「イベント」があると身構える性質があり、NY株はどんな経済数字が出ても結局はここ数日は上がるが、一度は下がる時間も存在しているのであり、上がっても中々安心感はない。ただ、米国はマインドが強く、日本はマインドが弱いので、それが日々の動きに出ている事と、大きく見てNY株は8月5日の下落を消化して、米国景気を信じているし、だから金利論議しながらでも上がる。しかし、日本はこの米国金利が50ベーシスだと円高から株が下がると思い、25ベーシスだとNY株が下がると思うようにメディアが騒いでいる。

それが事実だとしても、煽る書き方が多く、他にも下がる要因の記事を「二度出し」してでもその日は下げようとする。結果はどうなっても自分は、今週のイベント前に急落したら狙うつもりで、総裁選が決まる前に下がるなら買う気で、終わって下がるならば解散総選挙だから買い。よく考えたら岸田氏の時とは違ってそこでは株が上がりやすいし、米国辺りもその先では落ち着くと見ています。ハリス氏がいくら言っても、議会のねじれから法人増税は「通らない」とは書かないで、「株が下がる」と書くメディアとは付き合いたくないです。

日本の株は「イベント売り呪縛」から抜け出せないから、そこで動くつもりです。