12月1日:今週の市場の見方

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「揺れる市場環境と今週の注目ポイント」

米国の政治に振り回される中、国内の状況も難しい局面が続いています。それなのに、石破首相の所信表明について、我々の業界では目立った論評が見当たりません。アメリカンファーストの相場が続いていますが、日銀の置かれている立場は非常に厳しい印象です。株式市場も、ビクビクしながら売り買いが続いており、価格帯別の出来高が固まる38,000円から39,500円の水準を突破するのは、かなり高いハードルに見えます。

最近はニュースによる急騰があっても、持続力が乏しく、買い主体がいないと相場が続かない状況です。むしろ、政府よりもアクティビストの動きのほうが信頼されているような雰囲気すらありますね。バリュー株が8月以降強いという話もありますが、内需株や高収益企業が大幅に下がっていた事実も見逃せません。また、バイオ株は過去に例がないほど下落しており、セキュリティ株も今年は繁忙と言われながら、大きな動きがありませんでした。

結局のところ、ファンド相場というのは「注目されるかどうか」に尽きます。京成や京急の話題や、セブン&アイの問題では日本企業の弱さが露呈しました。一方で、世界では余った資金を効率よく新事業に振り向けるために、M&AやTOBが活発化しています。日本製鉄がUSスチールの買収を目指している例もありますが、自社の子会社の面倒を見ないと、逆に効率よく買収されるリスクもあります。アクティビストの要求には無茶もありますが、日本企業の努力不足も否定できません。

ただ、こうした相場ばかりに気を取られるのは良くありません。内需の一角や軽量株は過熱感があるものも増えていますが、下がり過ぎた半導体銘柄が急反発する場面もありました。トランプ氏の影響で売り込まれた相場が、バイデン氏の関税政策が甘いという見方で上昇するなど、市場が何を気にしているのか分からない展開もあります。それでも、売り過ぎた製造業が見直されつつあるのではないでしょうか。

こうした中、投資先としては、内需でも業績に自信があり、出遅れている銘柄が狙い目だと思います。この時期、高配当株も有利なため、業績が良いのに下げ過ぎている高配当銘柄も検討に値するでしょう。

今週は短期的な動きが増え、配当環流や投信設定資金も相場に影響を与えるかもしれません。市場の動きが一時的に盛り上がっても、来週には物色の流れが変わる可能性があるので、注意して見ていきたいところです。