懐疑から生まれる(12/11朝の講義)

10日の日経平均は+207円の3万9367円となり続伸。NY株式市場ではダウ平均、ナスダックとも下落。

市場は疑心暗鬼な状態に陥っているように感じます。こういう時期が一番難しく、特に年末が近づくと心理的な圧迫感が強まり、来週以降はプレッシャーがさらに増してきます。だからこそ、今このタイミングで市場がしっかりしておかないといけないのですが、アルゴリズム取引が介在してくるため、方向性が掴みにくい状況ですね。それに、「これだけ強いのにこの程度?」という疑問が出やすくなっています。

例えば、半導体関連ではエヌビディアを見ても、好業績が既に一巡しているように思います。一方で、トランプ氏の政治がどのような展開になるかは分からないものの、彼が危惧している点を考えると、日本は内需や独自性を持つ産業で挑むしかないのではないでしょうか。ここで何を割り切るかが求められています。駄目なものは駄目と判断する潔さが必要な局面ですね。

個人的には、国内のシステム関連産業に注目しています。これらの企業は収益力を着実に高めてきており、本当に頼もしい存在です。また、過去に仕手化して急騰した株式が、現在では目も当てられないほど下がっている状況を見ると、そうした株式の中には業務が改善されてきた企業もあります。過去に高値をつけた「高値覚え」のある企業が、昨年からの大型株中心の相場で大幅に下落していますが、こういった銘柄が再び注目される余地があると思います。

懐疑の中から新しい市場が形作られているように感じます。

6758ソニー、3652ディジタルメディアプロ、3927フーバーブレイン