12月15日:今週の市場の見方

今週の日本株市場は、17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)と18-19日の日銀会合が注目ポイントです。その他の主な予定としては、18日に発表予定の11月の貿易収支(速報)、20日の全国消費者物価指数(CPI)があります。また、米国では17日に11月の小売売上高(速報)、20日に11月のPCEデフレーターが発表される予定です。こうした指標は、繁忙な仕事の中でつい見落としがちですが、注意しておきたいところです。

現在、米国株が軟調で、クリスマス休暇を前に市場が閑散とすると言われています。しかし、過去の経験から見ると、売りが続いていた波が止まると「掉尾の一振」が起こりやすい傾向があります。この時期には、比較的「常識的」な銘柄が上昇したり、売られていた12月決算銘柄が配当狙いで動くことが多いのです。また、NISAの残り枠をボーナスで活用するという流れもよく相談される時期です。

現状、市場の方向感は見えづらく、日経平均だけが外資系の売買で振り回されている状況です。市場全体のムードはあまり良くないのが実情です。しかし、これが4万円で天井を打ついつもの市場であれば、上昇の速度がもっと速く、悲鳴が聞こえてもおかしくない時期でしょう。現在は業種内での選別が行われており、勝ち組と負け組が明確になっています。週末に強引に売り叩かれた株価が反転しているのを見ると、NY市場でもブロードコムのような新しい企業が急騰しはじめており、状況は単なる停滞ではないように思えます。

「懐疑の中から相場が生まれる」という言葉がありますが、今の市場はまさにその典型のようです。エヌビディアは多くの投資家が直接、間接的に保有しており、ETFの中でも大きなウェートを占めています。そのため、新鮮味が薄れてきた中で、新しいジャンルの株式が買われ始めています。この流れの中で、トランプ氏を避けつつ、恣意的に売られた株式や好業績内需、新需要産業などに注目するのは十分に合理的だと思います。

日経平均とこれらの動きが完全に一致するかは分かりませんが、今の環境は一足早い「掉尾の一振」が始まってもおかしくありません。高値期日に向けて買うという基本的なセオリーが有効だと考えています。むしろ、ここで市場が踏ん張れなければ、新春はトランプ氏の就任を控えて神経質な相場が続くことになるでしょう。この時期に下げ余地を伴う上昇が見られることを期待しています。