12月17日:今日の市場の見方
市場は本当に難しい展開が続いていますが、今は「投げられる物を拾って来年に備えるか」、それとも「目先の動く物で年内を過ごすか」の二択になってきましたよね。市場全体も非常に12月らしい動きになってきました。12月というのは、そもそも来年期待の株を買いながら、希望が無い銘柄を売るため、決算が悪いものほど下がりやすくなる時期です。
ただ、今年は早い段階から「跛行色」が出てしまい、来年への期待がトランプ氏によって削がれたことで、投げ売りが先行しました。一方、買いは「来年の期待」ではなく「今」を重視しすぎたため、個別物色の動きが早く出てきたんですよね。加えて、大口投資家が仮想通貨やNYダウに向かってしまったのも、その一因でしょう。確かに来年を考えると「アメリカンファースト」の動きや、仮想通貨が企業の新たな集金場所になる可能性もありますからね。
そういう流れの中で「行き過ぎた投げ」が出てきてしまい、それに乗じた繋ぎ売りなどもあって、市場は波乱の展開になりました。とはいえ、日経平均の水準に比べて、個別株は明らかに安いですよね。今はそういう安い銘柄を拾うことが大事で、特に「好業績」や「年間通じて冴えなかった株」が狙い目になるような気がします。
例えば、最近NTTが少し頑張ってきていますが、同社は年間を通じて下がった株式の代表格ですよね。同様に、9月に話題にしたKDDIもよく上がっています。通信事業はデータセンターを含め、AIが進展するほど重要なインフラ事業になりますから、こういった企業への見直しが来年のテーマになるのではないでしょうか。その中に、内需的な要因も含まれてくると思います。
いつまでもトランプさんの愚痴を言っていても仕方がないですし、今は来年に向けた準備が大事な時期だと思っています。