1月12日:今週の市場の見方
今週の見方
雇用統計の数字を見る限り、金利を下げるには説得力がない内容で、大きな下落が起こるのも無理はない状況です。しかし、年末に大きな売りが出た際、金利低下が二度あると言われていた点を思うと、市場の反応にはどこかナーバスさが感じられます。金利低下だけが上げ要因なのか、景気が良いことへの安心感がいつになったら市場に反映されるのでしょうか。金銀の上昇は予想通りでしたが、地合いは悪いニュースばかりが取り上げられ、少々疲れが出ているようにも見えます。
トランプ氏の就任を控え、移民問題や関税問題が注目されていますが、関税については一気に全てを実施するのではなく、国内産業に支障をきたさない範囲で進める「選択型」になるはずです。特に、自動車部品に関しては、GMが第二のUSSになろうとしている状況もあり、無茶はできない。サプライチェーンの構築には時間がかかるため、最低限「数年」は必要でしょう。
それにもかかわらず、「仮にそこまで関税が上がったら」といった仮定の話ばかりがメディアで流れ、「就任式で話せば市場にダメージがある」と解説する状況が続いています。トランプ氏が本当にそういった動きをするなら、彼の「強いアメリカ」というテーマそのものが揺らぐことになるでしょう。
市場の現状と課題
確かに市場は下がっていますが、金利やトランプ氏の話題は二番煎じであり、強い市場であればこれらを乗り越えて一気に上昇してくるはずです。ただし、需給的に難しい時期に差し掛かっているのも事実で、これらの問題がどの程度影響を及ぼすのかはまだ不透明です。一方、日本株市場ではもっと深刻な問題が浮き彫りになっています。それは、個人投資家が長期投資を諦めつつあるということ。NISAの話題はほとんど聞かれなくなり、ETFや指数売買が中心となり、個別株への勉強が疎かになっています。
確かに不透明な時代ではありますが、分かるものもあります。次世代型半導体やトランプ政策でプラスになる要素を探る姿勢が必要です。しかし、今の市場ではその視点が失われているように感じます。株式投資においても、企業の取り組みや可能性を見極める視点が必要であり、ETFや指数ばかりに目を向けるのではなく、材料やテーマを深掘りすることが重要です。
今後の展望
外資系投資家がどんな決算でも売りを仕掛けてくる背景には、先読みをしなくなった投資家が増えている現状があります。悪いニュースが切り取られて流されるたびに市場が下げに反応し、持続性のない取引が繰り返される。この体質を変えない限り、下げが続く市場環境は避けられません。米国株と連動しないと言いながらも、米国市場の動きを過度に気にするのも矛盾しています。
また、政治的な問題も控えています。石破首相がG7前にトランプ氏との関係を深める必要がある一方、6月には日韓基本条約締結60周年が控えており、東アジアの一体化に向けた課題が浮き彫りになる可能性があります。このような政治的課題を見据えながら、企業の持つ強みや将来性を評価することが求められます。
最後に
年初の最初の5日間で下落した場合、年間を通じて良い展開になることは少ないという統計があります。しかし、こうした厳しい局面こそ、次の上昇に向けた準備期間と捉えるべきではないでしょうか。もう一段下がったとき、狙える企業が相当増えてくるはずです。そのタイミングで、企業の将来性を見極める力が問われることになるでしょう。