混沌とメディア(1/14朝の講義)
「昨日1月13日は祝日で、日本市場は休場でした。」
1月10日(金)のNY株式市場は雇用統計の結果を受け、米国金利が下がりにくいとの判断から大幅に下落しました。理屈は理解できますが、既に前回のFOMCで「年2回の利下げ」の見通しが示されており、NY市場はこれまでに3000ドル近く下げています。それなのに、米国株式はエヌビディアなどの成長企業に投資する「新しい投資の時代」という認識があったはずが、メディアの影響で「金融相場だった」と片付けられたような印象を受けます。
トランプ氏の就任演説についても、不法移住者、関税、紛争といったテーマは昨年から予測されていましたし、各企業は既にトランプ政策を見据えて対応策を検討していたはずです。現在話題になっている内容は想定内であり、非常事態宣言を出すにしても、自動車産業のようにサプライチェーンの確立を待たなければ米国産業の衰退を招くリスクもあります。一方で、減税も掲げられており、一概に「悪い政策」とも言い切れない状況です。
それでも株式市場が下がる背景には、別の要因も考えられます。昨年はS&P500で新しい企業の組み入れが多く行われ、NYダウにもエヌビディアが採用されました。これにより期待感が高まり、米国株全体のPER(株価収益率)は26倍台に達しています(12月は27倍でした)。この水準を見ると、金利やトランプ氏の政策ではなく、買い過ぎた市場自体が悲鳴を上げているようにも思えます。
一方、日本市場のPERは15~16倍台であり、これを「割高」とする論議は米国市場とは次元が異なります。日本の経済状況を考えると、コストプッシュ型のインフレが続く中で、植田総裁は「金利上昇には繋がりにくい」と過去から発言しています。しかし、メディアは金利上昇の可能性ばかりを取り上げ、バランスを欠いた報道が目立つのも事実です。
それでも一度でいいから「買い過ぎ」と言われるぐらい、買われる市場を見たいものです。
7011三菱重工、2317システナ、3837アドソル日進