1月19日:今週の市場の見方

今週の見方

トランプ氏の大統領就任発言は予測が難しいものの、日本ではかなりネガティブに報じられています。しかし、ここまで報道されると、すでに株価はある程度織り込んでいるように思います。実際、米国株の動きを見ると、新大統領を歓迎するような値動きが見られます。ただし、その背景にはFRBメンバーの金利低下に対する楽観的な見解があり、トランプ新大統領の景気刺激策を考えると、今後の米国経済が悪化するとは思えません。そのため、FOMCの反応には注意を払うべきでしょう。

この楽観論の裏付けとして、IMFは2025年の米国の成長率予測を2.2% から 2.7% へと大幅に上方修正しました(参考記事)。昨年10月からの短期間でここまで大きく修正されるのは珍しく、さらに年明けから原油をはじめとした商品市況が上昇しています。この流れを考えると、金利低下の期待はあまり持てないでしょう。ただ、そこまで金利に敏感になる必要があるのかは疑問であり、現在の市場が需給主導の相場になっていることも影響しているように思います。


市場の現状と課題

現在の市場では「金利低下によって米国の回復が思うように進まない」という見方が売りの理由とされています。しかし、IMFの成長率見通しとはやや異なる解釈です。2025年には物価が落ち着くとの予測もあり、FOMCに対して過度に楽観的になるのも良くはない。ただ、仮にトランプ氏の就任をきっかけに株価が大きく上昇するとしたら、それは景気期待の現れであり、FOMCの結果に関わらず相場への影響は限定的でしょう。

現在のNY市場の強さは、トランプ政策に対する不安や金利上昇懸念が織り込みすぎた反動によるものと考えられます。過去の経験則でも、大統領就任時の米国市場はお祭り的な値動きとなることが多く、そう簡単には下がらないものです。FOMCの動向には注意が必要ですが、一方で「下がったら買う」という投資方針が強まっているように感じます。

日本市場の動きは、米国とはやや異なります。日本市場が世界で出遅れている背景には、米国を含む世界市場が金利低下に向かう一方で、日本は金利上昇の流れにあるという見方が挙げられます。しかし、実際の消費動向を考えると、金利を引き上げる理由は乏しく、むしろ官僚主導でインフレを演出しようとしているように思えます。郵便料金の値上げなどもその一環であり、政府は異次元緩和から伝統的な金融政策へと移行する意向を強く持っているようです。国債市場においても、日銀が買入を減額し始めたことで需給が悪化しており、これを市場の自然な動きと捉えるか、政策的なシナリオと捉えるかは意見が分かれるところでしょう。


今後の展望

こうした動きを市場の識者は織り込んでおり、日銀の金利上昇についてもある程度は市場に反映されています。しかし、現在の売り圧力の背景には、政策保有株の売却が影響している可能性もあります。例えば、村田製作所が先週、保有株の売却を発表しましたが、これはトランプ氏の就任前、あるいは金利上昇前に売却を進めたかった意図があるのかもしれません。そのため、日本市場では米国市場の上昇に連動しにくく、7011 三菱重工 のような「なぜこの銘柄が売られるのか」と疑問に思うような動きが見られています。村田製作所の売却株数は 6130万株超、発行株数の約 3% に相当し、海外投資家への取り込みを目的としているとされているが、実際には国債の下落や与信不足に直面している銀行などが売却を急いだ可能性もあるでしょう。

結局のところ、こうした政策的な要因が市場の動向に大きな影響を与えており、売りが止まらない要因となっています。「いつまでが売り場なのか」という視点から、先週は特に重い展開となり、処分売りが市場に大きく影響を与えました。そして、それを事前に察知した市場参加者が空売りを活発化させたことで、売りが売りを呼ぶ展開になったと考えられます。


最後に

いずれにせよ、日本市場は外資にとって有利な環境であり、また、証券知識に乏しい経営陣が多いことも、市場の不安定さを助長しているように思います。今後の市場の動きを注視しつつ、需給で想定以上に売られる銘柄には気を付けましょう。