物色の限界(1/28朝の講義)

「27日の日経平均は-367円の39,565円となり続落。値上がり銘柄数が全体の8割近くを占める中、一時400円超の下げる異色な下げであった。NY株式市場では、ダウ平均がプラスに転じ反発した一方、IT・ハイテク株には売りが強まり、ナスダックは急落した。」

もう少しAI関連企業が強気な姿勢を見せるかと思いましたが、意外に消極的な印象を受けました。ただ、技術革新というのは大衆化するにはコストを抑えることが不可欠であり、今回の流れからも新たな需要が生まれてくると考えています。とはいえ、AI関連銘柄は相当先まで買われすぎていた感があり、トランプ氏が資金提供を示唆していた影響も大きかったため、その反動が出るのは自然な流れでしょう。今回の動きは、市場の構造を理解するうえでも重要な示唆を与えていると思いますね。

最先端技術か、ゾロのような技術かという視点で見ていますが、基本的には以前から指摘しているように「物色の限界」があったように思います。そのため、先週木曜から保守的な企業への資金シフトが顕著になり、NY市場の動きも「行き過ぎたナスダックの調整」という見方が強まっています。昨日の日本市場も、その流れを引き継いでいた印象です。

通常、金利が上昇する局面では財務基盤のしっかりした企業に資金が集まりやすいですし、新技術の登場によって既存の技術にも新たな需要が生まれるため、少し様子を見ながら判断していくのが良さそうです。もし米国の金利が下がる展開になれば、新たな市場の動きも期待できるでしょう。多少の過剰反応があったとしても、日本市場が個別銘柄中心の割り切った物色になれば、悪くない展開になると見ています。

市場は恣意的に動いた後、買い戻しが優勢になる流れが続いています。この展開はある程度、想定通りといったところでしょうね。

7011三菱重工、8252丸井、9020JR東