2月23日:今週の市場の見方
今週の見方
週末のニューヨーク株式市場は大幅続落となりました。ダウ平均は748.63ドル安の43,428.02ドル、ナスダックは438.36ポイント安の19,524.01で取引を終了。特に医療保険会社のユナイテッドヘルス(UNH)の下落がダウの重しとなり、さらにミシガン大消費者信頼感指数やサービス業PMIが予想外に悪化。加えて、中古住宅販売件数の減少が市場の成長減速懸念を強め、ナスダックも下落する展開となりました。
市場の現状と課題
この市場の動きは、トランプ政権の経済政策を振り返ると納得できる部分があります。関税政策の基本的な考え方は、関税をかけた国の通貨が上昇し、その差益により輸入品価格の上昇をある程度抑えられるというものです。理論上はそうですが、実際には対抗措置として相手国も関税を課すことが多く、日本のように「相手国に好まれる政策を努力する」という国は少数派と言えます。
今回、2月の消費者物価指数が悪化したというニュースは、トランプ経済政策の限界を示唆しているのかもしれません。過去に日本を「為替操作国」と批判し、「騙してきた」といった発言をしてきたトランプ氏ですが、彼の経済政策の根幹は「強いドル」にあります。そのため、パウエルFRB議長に金利引き下げを求めるのは難しく、日本の金利上昇も米国経済にとって好ましくありません。ここ数日、ユーロに対してもドルは強含んでいましたが、市場の反応を見る限り、週末の結果を受け「この政策は誤っているのでは」という感情なのでしょう。
今後の展望
この経済理論については、まだ明確な結論が出たわけではありません。例えば、ウクライナ問題についても、これほど深く介入しようとする仲介者はいませんでした。「人が殺し合うことはおかしい」という原則から交渉を進める考え方には一定の説得力があり、対立を強調する現在の世界の流れとは異なるアプローチといえます。ドイツで右翼勢力が台頭するなど、今後の欧州政治も一層複雑化するでしょう。一方で、重税に苦しむ欧米社会の中、日本では昨年の大幅な賃上げにも関わらず、実質所得がマイナスという状況です。さらに、高額医療費が自己負担になりつつある現状では、医療保険制度の意義が問われるようになっています。
最後に
自分は決してトランプ氏を擁護するわけではありませんが、経済発展のためには「まずは自国経済の強化」という考え方が、何も大きな施策を打ち出さなかったバイデン政権とは異なることは確かです。世界の株価は多くの課題を抱え下落していますが、昨年夏のような大暴落には至っていません。ただし、明らかに買われすぎた局面もありました。現在のNYダウのPERが26倍というのは、日本の15倍と比べても過度な期待感があると言えます。そして、その期待感の一部はトランプ氏に依存しているのかもしれません。
しかし、食品以外の関税をかけていなかったり、米国工場の設置などでトラブルを回避してきた日本企業が、このPER水準であるならば、PERの低い優良株が値下がりする局面では手を出したいところです。また、関税の影響を受けにくい企業が嫌われる傾向がある中で、為替差益がなくなると嫌われる優秀な企業は買いたいと思います。
問題は、今すぐ動くべきか、もう一段下落を待つべきかという点ですが、トランプ政策の成否を判断するにはまだ早いでしょう。机上の経済理論を否定するのも時期尚早です。今一度、トランプ政権下での経済施策を振り返り、市場の反応を見極める必要があると感じています。何か、新たな発見があるかもしれません。とりあえず、好業績で先行きが見える銘柄から買いたいと思います。