ここで踏ん張れるか(3/10朝の講義)

今週も国内外で重要な経済指標の発表が続く。特に、日本では10日に1月の毎月勤労統計(速報)や2月の景気ウォッチャー調査が予定されており、これまでのデータを見ると、物価上昇による節約志向の広がりが鮮明になっている。前月の景気ウォッチャー調査では、現状判断・先行き判断ともに低下。特に、家計動向と雇用関連の項目が前月と比べて悪化しており、明らかに消費者の行動は慎重になっている。

米国では、12日に2月の消費者物価指数(CPI)、13日に2月の生産者物価指数(PPI)が発表されます。前回のCPIは伸びが加速し、FRBの利下げ期待が後退したが、今回はどうなるか注目。最近の経済指標を見ても、米国の景気減速が意識されるようになってきており、物価上昇の動きにも注目されます。

ただ、本当にどうかしているのは、日米ともに消費が落ち込んでいるのに、金融政策の方向性がチグハグなこと。米国では、景気減速が見えれば金利を下げて経済を刺激しようとするのに対し、日本は物価上昇を理由に「インフレ」と言い張り、金利を動かそうとしています。明らかに消費は冷え込んでいるのに、なぜか日銀は「インフレを抑えるため」と主張し、金利を引き上げる方向への動き。先日の国会でも、石破首相が「不景気からの脱出ができるかどうか」と発言していたのに対し、植田総裁は「好景気のインフレ」と言い張っていました。この食い違いは、単なる見解の違いではなく、何か別の思惑があるのでは? と感じてしまいます。

結局、日銀は米国の金融政策や政治的な圧力に左右される部分もあり、純粋に経済の状況だけを見て政策を決めているとは思えないです。本来ならば、消費が落ち込む経済指標が出れば、米国では金利低下に向かうはずなのに、日本はなぜか「金利を上げてインフレを抑える」というスタンス。そして、米国もここでどう動くかがポイント。とにかく、市場には“掻き回し役”が多すぎて、金融政策も素直に見られないし、関税問題も絡んでくるため、投資アイディアが出しにくいです。

売り方にとっては絶好のチャンスだったはずなのに、実際には大きな売り仕掛けは見られなかった。こういう場面では、通常なら一気に売り込んで市場を下げる動きが出るが、それがなかったということは、どこかで市場を支える力が働いていたのかもしれないません。また、先週の市場を振り返ると、内需株やITソリューション関連はしっかり。市場では、「経済指標の悪化=さらなる売り」「数字が出尽くした=織り込み済み」というように、解釈次第でどうとでも言える状況になっています。しかし、国内企業の数字を冷静に見れば、メディアが言うほどの不景気には感じられない部分もある。今後の市場の動きは、こうした「数字の解釈」がどちらに振れるかにかかっていそうだ。

6701NEC、9201JAL、4062イビデン