5月7日:今日の市場の見方
「何が本当に変わったのか」
「今後、日本は有利になる」という外資のレポートが増えているのは知っています。内容としては、自動車に関しては部品の関税が意外に楽になるという話や、農産物の買い入れ、アラスカのガス開発の資金を日本が持つことで優遇されるというものです。確かに、他の東南アジア諸国ではそこまでのお金が使えないなどの理由があるのでしょう。しかし、先日の日米交渉でも、なかなかしぶとい米国は、日本が早く解決させたいということから、手一杯出しているにも関わらず、米国が示した「別枠」の考え方ですから、今回は決める気はなかったのでしょう。
別枠ということで、好意的な展開もあり、実際に米国の自動車業界だけを助けるという露骨なことをしない限りはどうにかなると思います。まあ、輸入だって法を曲げることがあるので、何がどうなるかは決まっていません。だから、現状は先日の下落時と変わっていないと言えます。変わったのは、外資系が買い始めたことと、メディアが期待値で記事を書き始めたことです。これでこのまま上がるなら、先の下落は一体何だったのかという気がしてなりません。
すべて売られたからという下げでしたが、当初は儲かる企業も儲からない企業も売られていました。今度は「関係のない内需」「儲かっている内需」「シェアが高くて関税がかかっても手に入れなければならないもの」を買う流れができてきたという感じです。そして、業績が確実に落ち込む企業や駆け込み需要から今後が読みにくい企業は売られたということです。
しかし、売られたものも下がればじりじりと高くなっています。要するに、上げ下げはどうでもよくなったような動きで、実際にはまともに考えられない市場になっています。まともに考えられないということは、トランプ氏も先行きが不確かだということなのでしょう。つまり、SQが終わってしまうと、またネガティブな宣伝が流れて、外資が楽しむだけの流れになる可能性があります。だって、何も決まっていないのに買い戻されているということは、その前の流れを再び利用して、「上手くいかない日米交渉」なんてメディアが言い始めたら、どうなるかわかりません。
だとしたら、何が本当に変わったのかということを考える必要があります。好決算の内需型や自社株買いという、普通のラインが頑張るかどうかをよく見ておくことです。一過性の投げではない底堅さが出てきたら、まだ捨てたものじゃないということになります。バフェット氏が「アホらしいからやめる」と言うなら考えますが、投資家は気力が萎えたら儲からなくなります。彼は本当に気力の人でした。