5月25日:今週の市場の見方

今週の見方
トランプ大統領が日本製鉄のUSスチールの買収を承認したという報道がありますが、現時点では実質的なことは不明です。進展と言えば進展かもしれませんが、問題は主に輸出部分であり、関税問題についてはトーンが落ちつつあるものの、EUに対して50%という話が出たことで、落胆する投資家が多かったと感じます。緊張感が薄れると、トランプ大統領は再び強気の言動をします。こうした外交手法は上手に相手に緊張感を与え続けるものです。

市場の現状と課題
現在、関税問題は自動車、鉄鋼、航空機に絞られていますが、これらが解決すれば、関税問題は次の段階に進むでしょう。特に、日本製の商品が米国で割高だと言われることは避けられません。トランプ大統領は、「ダンピング」や「割高販売」という言葉を使って日本を批判することが予想されます。彼の外交スタイルは、「日本は長い間我々を騙してきた」という基本的な考え方に基づいていますので、正直なところ、あまり仲良くする気にはなりません。市場ではこうした厳しい外交姿勢に対して飽きが出てきているものの、やはり影響は避けられません。

今後の展望
市場が挽回できない場合、メジャーSQ前後や6月後半は危険だと考えています。その後、7月後半から8月初旬にかけて発表される第一四半期の数字に不安を感じています。ですから、需給が不安定になる時期には引き続き注意しながら動かなくてはならないと考えています。しかし、トランプ大統領の誕生日(14日)や中国の習近平主席の誕生日(15日)もあるので、何か良い話が出る可能性も否定できません。そのため、この水準からは売りから入ることは難しいと思います。最終的には、独立記念日辺りが市場の形作りとなる可能性が高いでしょう。

最後に
雑多な銘柄が上がる中でも、個人投資家にとっては助かる流れが見えます。特に、グロース株の上昇は市場にとって一筋の光明です。ここでグロース指数が高いものの、全体が同様に強いわけではないので、今後の展開に注目したいところです。4592サンバイオのような株が引っ張る形となっており、これが横に広がることで、新たな市場の形になるかもしれません。

また、安定的な内需消費型銘柄や、生産性向上により収益を上げている銘柄も引き続き注目されています。右肩上がりの株式は、悪い展開に対しても買い下がりができますね。市場全体が変動している中でも、安定的に成長している実力株に対する信頼は変わらないと感じています。

気になる国内政治については、保守派の敗北イメージでも儲かる企業は依然として存在します。したがって、市場にはあまり影響を与えないと思っています。