7月13日:今週の市場の見方

今週の見方

はっきり言って、トランプ氏の発言にはもう疲れてきました。送ったという“書簡”の中身は、まるで脅迫状のような内容で、「これが最後だ!」と強調しておきながら、「話し合いの余地はある」と言ったり、何か決まったかと思えば、また新しい問題を持ち出してくる。ただ、この人物はうまく“差別”を使い分けています。今回、手紙を送ったのは、彼が軽んじている側への対応で、次に出す手紙は軽蔑していない側向けの内容になる、というような構図でしょう。

以前から言っているように、今の米国(特に支持層)では、貧富の差や格差、差別が各階層でますますはっきりしてきている。その不満のはけ口として使われるのが「差別」で、人を見下したり、罵ったりすることで、気分をスッキリさせようとする流れがあります。

市場の現状と課題

そうした中でも、SQは4万円台で決まり、市場には新しい展開の兆しが見え始めていました。ただ、週末には一気に売りが入る展開に。とくにファーストリテーリングへの売りは目立ちました。「決算は織り込み済み」「小売業としては割高」「米国店舗は関税の影響を受ける」といった理由が並びましたが、実際の売上は市場の想定を超えていましたし、“割高”ならなぜ今まで放置されていたのか? 関税の影響についても、アメリカの安価な衣料品はほとんど海外製であり、それ自体は今に始まった話でもないはずです。要するに、「売り叩くためのアイテムづくり」が始まったように見えます。

今後の展望

もしも半導体セクターの決算発表後も、「すでに織り込み済み」「株価が高すぎる」「関税で業績懸念」といった定型句で売りが出るならば、今度はそういう“売るための市場”が形成されていくことになります。そして、仮にファーストリテーリングが来週も戻ってこないようであれば、「4万円のSQは外国人投資家に献上した」という流れになり、彼らが戻ってくるまで、相場は一休み……という形になるかもしれません。

個人的に、そういう意味で“外国人投資家”という存在にあまり好感は持っていません。彼らの態度は騙すというより、“当然のように圧力で物事を通す”ようなところがあり、それに応じたとたん、見下すような笑いを浮かべる場面すら想像できてしまいます。

最後に

そんな人たちと付き合っていくことに、そろそろ嫌気が差してきますよね。会ってもくれない相手とどう交渉しろというのか。そして今、総理を変えさせようという空気も、“米国の意向に従うリーダー”が求められているだけに見えます。

理由なんて、彼らにとっては必要ないのかもしれません。上がれば、それを材料にして次のきつい下落を仕掛けてくる。
とにかく、「売りに使えるアイテム」は一つできたようです。あとは、それをいつから使い始めるか——それが来週以降の焦点になりそうです。