買い要因(7/25朝の講義)

「24日の日経平均は+655円の4万1826円となり、続伸。24日のNY市場はまちまちで、ダウ平均は316.38ドル安の4万4693.91ドル、ナスダックは37.94ポイント高の2万1057.96で取引を終了しました。」

自分としては、買いの要因として見えているのは上下水道くらいで、これといって決定的な材料は今のところ見えていないんです。この市場は、多くの人が「売りたいけど強気」な状況で、楽しみや期待の幅はかなり狭くなっています。結局、買われている銘柄は、皆が追いかける“自己強化型”みたいなもので、少しでも離れているものは、とにかく弱い地合いになってしまう。本当に強い相場というのは、限られた銘柄に集中するのではなく、もっと循環的な強さが出てくるものですが、今の状況では確かに強さは感じるものの、「明日への約束」がない銘柄が多いんですよね。
たとえば、半導体なんかも上がっていますが、それは空売りに対する買い戻し的な動きで、いわゆる“伸び”を見せるには、やっぱり業績などの裏付けが必要になってきます。

だから、仮に石破さんが退陣するということになったとき、次の政策テーマとして最低限なにが出てくるか?と考えると、今のところ上下水道の問題くらいしか見えてこない。この市場は、視野がすごく狭い状態ですし、気づいたときにはすでに割高感が出ていて、リスク水準も高く、結局は限られた銘柄しか選べない感じなんですよ。そんな地合いですから、まずは「口座を守る」という発想が大事になりますし、すべての銘柄が一斉に上がるような地合いではない。ある意味、トランプ色の強い、押しつけられるような提携ということです。

考えてほしいのは、2つ。1つは、辞めるならスパッと辞めればいいのに、それができない石破首相の“潔さのなさ”。地方の自民党組織から辞任要求が出てきて、結果的に“無様な引き際”を選んでしまっているのは、なぜなんでしょうか。そしてもう1つは、これがうまく着地しないと、15%の関税が課されることになって、日本、特に自動車産業は本当に生き残れないかもしれないという現実。それなのに、なぜ同盟国であるはずのアメリカから、こんなに強く“脅し”をかけられるのか疑問です。

なんだか、何をやっているのかよく分からない相場環境で、本当の“強さ”が出てこない。だからこそ、上がれば上がるほど、逆に怖さも増してくるなと思いますね。

5602栗本鉄工所、2325NIS、6981村田製作所