7月27日:今週の市場の見方

今週の見方

20日の参院選の投開票では、与党が47議席(自民党39議席、公明党8議席)を獲得し、非改選を含めた自公合計で122議席と、過半数割れとなりました。結果だけを見れば、与党の敗北といえますが、「あと3議席で過半数だった」という点からは、事前の想定よりも善戦した印象もあります。

たとえば、選挙終盤に実施された読売新聞の世論調査(7/12〜15)では、自民党の獲得議席を「24〜39議席」と予測していました。その上限にあたる39議席を確保したという点では、やや意外感のある結果だったとも言えそうです。

市場の現状と課題

石破首相が民意に反して残留の意向を示しているのは、この結果が根拠になっているのでしょう。ただ、仮に高市氏が後任候補として浮上しても、「財政再建派」であることを考えると、市場としてはやや不都合な面もあります。また、日米交渉についても、表面的には15%関税というのは良い印象ではないですが、他国との比較で見れば“まだマシ”といった評価になるかもしれません。

いずれにしても、こうした政治状況の中で、今週後半に発表される外資系の売買動向は非常に注目されるところです。どの程度、実需と政治を織り込んでいるかが焦点になりそうです。

今後の展望

個別では、7203トヨタの決算(8月7日発表予定)がどのような数字になるのかが非常に気になります。また、25日大幅反落した4063信越化学などが出している減益予想が、どの程度の影響なのかで、日経平均の上下の幅が決まってくる可能性が高いと思っています。

普通に考えれば、米国の金利低下への期待、欧州の関税問題の進展、中国との再交渉といった材料が背景にあって、急騰の調整が済めば水準的にはまだ安心感があると言えなくはないです。ただ、それでも結局は企業決算の内容次第で、市場の評価が決まってくるはずです。

最後に

もし、予想よりも悪い決算が続き、相場が崩れるようなことがあると、この日米関税交渉が持つ“微妙なニュアンス”が一気に材料視される可能性もあります。
たとえば、書面化されていない合意内容や、「一度決まれば動かさない」日本と、「さらに上乗せを求める」米国との認識のズレが表面化して、売りにつながるような展開も想定されます。

そうした“ややこしい”相場では、やはり「決めつけない投資」が基本になると思います。今注目しているのは、進捗率の高い企業、屋内娯楽、上下水道関連といった、ごく一部のテーマくらいでしょうか。