9月18日:今日の市場の見方

電車の席を取ろうとするおっさんに対して、静かに席を譲る女子高生という構図。おっさんといっても40過ぎなんですが、この時間はいつも席取り合戦みたいになっていて、皆が急いでいるんですよね。整列しているのに、入る瞬間に後ろから抜いて先に席を確保する人も多い。その一方で、この女子高生はいつも参考書を持って窓際に寄りかかりながら勉強しています。

なんでそこまで急ぐのかとも思いますし、自分はPCを持っていても立ちながら書くことは多いので、席は空いていたら座るぐらいの感覚なんですよ。今日はその子の向かいでPC片手に文章を書いていたら、時々じろっと見られます。この子にとっては「立ってPC打ち込むのが器用だな」と思っているのか、「じゃまなんじゃボケェ!」と思っているのかは分かりませんけどね。

今の市場というか時代は、とにかく「我先に確保」。だから事業でも投資でも、人より早くというのが正しいとされ、のんびりしている人は馬鹿だと言われる風潮があります。それが市場では「上手い」「情報を集めるのが早い」という評価になるんですが、本当にそうなのかどうか。トランプさんを見ても、ホリエモンさんを見ても、とにかく上手くやった方が賢いという評価が多い。そして個人投資家も同じ目線で評価するから、「気が熟したら」という儲け方はできないということなんですよね。つまり、資産をじっくり成長させるというより、資産を一気に増やすことが一番という考え方なんです。

それでもいいんでしょうが、ここは相当危険な場面です。だから無理して席を取りに行かず、窓際から皆の動きをじっと見ているぐらいの感覚で、少しのんびり構えた方が良いと思います。この市場は多分「上がれば手の出ない株式、下がれば全部下がる」というタイプでしょう。まあ、せいぜい高配当株までかなと思います。

結局、市場も電車の席取りと同じで、焦って前に出る人ほどリスクを抱え込みやすい。大事なのは、少し距離を置いて全体を見渡し、自分が本当に座るべき席(=投資対象)を見極めることだと思います。