10月12日:今週の市場の見方
今週の見方
多くのことを考えても仕方ないですが、週末の日本市場は公明党の離脱報道で夜間先物が2400円安となりました。前々日からすでに「公明党が離脱する」という話が出ており、テレビでも「修復は無理」とまで言っていたのに、なぜメディアは「高市トレード」と連呼して投資家を煽っていたのか――本当に不思議ですよね。
そもそも首相になれないのに「トレード」も何もありません。結局はソフトバンクなど寄与度の高い銘柄が上がれば指数は簡単に押し上げられる。外国人投資家の目的だったSQが終われば、「悪いものは悪い」と一気に株価が下落する流れになったというわけです。
市場の現状と課題
以前から、裁定買い残の増加や8月以降の外国人買いが信用取引によるものだと指摘してきましたが、それは誰でも言っていることです。今回の下げで、みんな「当たった」と言うでしょう。
ただ問題なのは、10月3日の時点で「売りだ」と言っていた人が多く、結果的には週末の夜間先物が売値近くまで戻っただけ、ということなんです。そんな状態で「当たった」と吹聴しているのも、やっぱりマスコミなんですよね。
売りのときはETFなどを通じて、幅広い運用銘柄に一斉に売り注文が出ますが、買いの場合はピンポイントで入ってきます。金融相場で「成長産業」に資金が集中するのは、まさにこの特徴からです。今回も上がる銘柄は限られており、下がるときには満遍なく。特に人気のない銘柄は安いのに、信じられないほどの売り圧力に見えてしまい、大きく下げていくでしょう。
今後の展望
最初の下落局面では、買いが入りやすい銘柄をしっかり見ておくことが大事です。その次の“ダメ押し”や“出遅れ”の段階では、好業績で深押ししている株や、子会社を持つ企業でM&AやTOBを仕掛けやすくなっている銘柄に注目するのが良いと思います。
簡単に言えば、頭を来年に切り替える時期です。急落時のパターンをうまく利用しない手はありません。9月中間決算の発表ももうすぐ始まりますから、それをきっかけに市場の見方や考え方が変わりやすくなるでしょう。主力株でも少し角度を変えて見るような戦略が必要です。
最後に
高市氏はそれでも、他の候補よりは有利な位置にいると思います。現状でもおそらく60%くらいの可能性はあるでしょう。ただ、あっちへ行き、こっちへ行きたい政党も多く、いわゆる“風見鶏”的”な動きが目立ちます。その多くは政策の考え方よりも、「とにかく政権に参加したい」という思惑から出ている印象です。
したがって、最初の押し目では「高市トレード」で上がった銘柄を拾い、二度目の波からは少し方向を変えるような銘柄選びが良いと思います。
