10月23日:今日の市場の見方

3000枚の先物の誤発注が夜間で解決したかどうかですが、仮にそれが無くても下がったでしょうね。昨日はソフトバンクだけで前場の上げ下げが決まっていましたし、ご祝儀的な買いもあったので、何やら違和感のある動きでした。
その最後が15時25分の先物3000枚買いで、10秒ほどで株価が5000円以上も急騰したんです。こういう商いで怖いのが、いわゆる「折り込み」。離れた値段で注文を出す前に株価が上がって下がることで、誤発注のせいで出すべき注文が出せず、「責任持ち」として証券会社のミスになるんですよね。

過去に比べれば少ないでしょうが、証券会社はある程度離れた注文は出さないようにしており、特に引け前は直近の値段を重視します。普通は“あり得ない値段”だと判断した注文は出していないんです。
だから、間違い玉以上にこういうケースでは“売り忘れ注文”が多く、その処理が結果的に“間違い玉”と同じくらいの売り圧力になったりします。特に売買代金が多く、日経平均に大きく関わるソフトバンクのような銘柄だと、すべてが機械というわけではないので、もし売り上がりがあったら本当に大変なことになりますよね。

ただ、この誤発注も“シナリオの一部”なんじゃないかと思ったりもします。こういう話になると、経済や政治のことを忘れてしまいますが、昨日なんてまさにソフトバンクの上げ下げだけの一日で、人間味も想定も何もない、なんだかアホらしい感じでした。
だとしたら、この市場は本当に面倒くさくて、正直、面白みが無いと思います。

好決算や将来の蓄えなんていう材料がまったく評価されず、思惑と作為だけで動く。そういう相場ほど悲しいものは無いですよね。昨日の戻りは、本当に良くなかったと思います。