11月16日:今週の市場の見方

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今週の見方
「出尽くし」「収益不安」──この言葉でNY株は乱高下しました。確かに、政府封鎖解除を先に買うのは分かりますが、そもそも封鎖していても株式はそこまで押していませんでしたし、その直前の二日間の急騰は明らかにやり過ぎだったと思うんです。
こうした問題だけなら需給の好転を待てば良いのですが、もう一つの問題はテック系企業のデータセンター投資が莫大になってきて、その投資分に見合う収益が保証されていないという点ですよね。こうなると、調整は少し長引くというか、判断できる時期まで待たなきゃならない感じです。
市場の現状と課題
しかしながら、買い煽っていたマスコミもひどいもので、急に悪い話だけを取り上げて騒ぎ始めました。収益に対する疑問なんて夏の頃から出ていた話で、その論議を無視して買い煽っていたのに、数字が不確定になると今度は急に手のひら返しです。PER50倍なんて水準は、本来なら簡単に買う人はいないはずで、そういう面を材料にした市場になるなら、押し幅が大きくなるのも仕方がないでしょう。
とはいえ、先週あたりからバリュー株に限らず、下がり続けていたグロース株も反転してきて、需給の偏りは変化してきています。テック株を売る人は勝手に売る、というような流れにもなっていますし、その範囲ならエヌビディアの決算までは“調整の範囲”で収まると思うんですよね。ところが夕方あたりになると「市場は逆回転」「夏の水準に戻る」など、今度は売り煽りが増えてくる。本当に困ったものです。
今後の展望
自分が前から話しているように、企業の収益が良くなっているのに株価が上がっていないものは多いし、運用者としてもPER40〜50倍のテックを無理に狙うより、日本国債を買いにくい資金が向かうような高配当企業を見る方が現実的だと思うんです。来期以降平準化しそうな“今期悪い決算の企業”を先回りして買うことだってしますし、中間決算も6割ぐらいは良い数字でしたから、二極化で売られすぎた銘柄は本当に多いと感じます。
日経平均5万円が正しいかどうかは分かりませんが、一部銘柄だけが動く市場のままでは価値が無いと思っています。ドローンやAIサービスだって立派な成長産業ですし、金余り相場で作られた上昇だったとしても、その利便性や発展を評価するなら、もっと広範囲に評価されるべき銘柄は多いはずなんですよね。
最後に
今年は悪くても“一過性の悪さ”なら、下がったところを買うという判断だって本来はあるべきなんです。
とにかく、ノイズをなるべく無視していきたいところですよね。
