今週の見方(5月19日)

日本株はNY株の影響で半導体が高いという流れはあるが、弱いのか強いのか良く分からない。日経平均寄与度が高いか、後工程などの少し買いにくいタイプが連続で上がり、市場に循環性がなく非常に下がる銘柄が多い。その中で下がる意味が不明な企業も多い。物色傾向からTOPIX型が弱いと言われても、常識的に銀行株は今期は有利になってくるし、鉄道も価格改定を行なってきているから収益は変わってくる。しかし、銀行は決算から動きが企業によってばらついているし、鉄道の多くは年初来安も多い状況。

こうした部分はNY株が循環で買われる本当の強さであり、日本株が頼りないのは張りぼての強さだからだろう。最近、日経平均の下の堅さは認めても個別株に対して不可解な売りが多いが、個人投資家の決算に伴う決算売りの短期売りが多いと買い戻される。しかし、18日付の日経朝刊にあるように「持ち合い株7割削減」などの記事を見たときには、その処分注文が外資などになれば、過去に記憶のある市場操縦的な下落があるのは市場関係者では判っているはずである。

また、国内証券に任すと言っても、ここ最近あるクロスで引き受けた株式の即転売は市場の影響を軽微にするという物ではなく、即売りから株価は急落することが多い。過去のように日本を信じて少しずつ売っていくような心理はないのであろう。ただ、そういう注文をする可能性のある「解消売り」を、東証プライムで1100社表明したということである。その株数は相当であろうし、今期見通しの低い決算を努力して増額修正しても市場は「特別利益」として処理されるだろう。来期は特別益がない場合は「減収」という評価になって行く。

正しい評価をしないことや、売り方がよく作る需給的なシナリオになっていきやすいと考えてしまう。議員の中には日銀のETFを売って、新な政策資金を作るべきと話す者もいる。そう考えた場合はこの市場は企業からの自社株買い以外、買い需要はないという展開なのだろうか。とにかく、異常に重い個別であり、週末も最後は伸びを欠く展開であった。。来週はリバランスも始まってくる。

ここで頑張って安くなった株式だけが上がるのでも良いから株価の修正がないと、需給悪化が夏前には鮮明になってしまうし、経済が良くても金利上昇となってしまう悪循環が考えられる。物色も偏った異常な状況では、多くの投資家がスルーしてしまうし、ここから先の上げは誰に買って貰うのかという疑問しかわかなくなってくる。循環投資が必要で外資が本当にこれらの需給を基に先物など売って来ているのならば、この夏は自信が無くなる。

大概ならば、個別株は安い位置であり業績も悪くはない。今期の見通しもいつもの低い発射台だと思うと、給与を大幅に上げたことなど考えたら売られ過ぎが多いと感じられる。そういう今週は上に抜け出さないと難しい局面と思って欲しい。

持ち合い株、東証プライム7割1100社が削減表明:日本経済新聞2024年5月18日