今週の見方【6月23日】

市場は材料不足の中、徐々に閑散となっています。動く幅もリバランスなどの需給によって影響はありますが、基本的には余り変動はないと思います。売り叩かれてきた内需型、好業績、大型株も一応に一巡模様ですが、急反発するには市場のボリュームが不足しています。一方で米国の情報産業株が失速しはじめ、健闘していた半導体株式などは大きく下がり始め、過熱の調整とはいえ、日経平均の上値は押さえられる形になったと認めざるを得ないでしょう。

問題は国土交通省が自動車メーカーに対して、国際基準を満たしてしていないという見方を話していました。事をまとめる気はないみたいです。結果がどうなるのか、どのような処罰なのかが決まらない限りは、GDPなども読めない流れになってしまうし、粗鋼生産の低下などその影響が出たとの見方が強いのですから、大きな問題になってきたと思います。そうなると、今週から決算発表が始まってくる2月決算物・好決算予想銘柄の動きをカバーしておくべきで、その流れは3月決算物がその後始まることを考えたら、相当大きなポイントと考えます。せめて自動車に関係ない物がどうなるのかぐらいは見たいです。

需給に弱い市場だけに27日のTOPIXのリバランスの動向は大きいでしょう。トヨタ自動車の売り需要だけで1159億円、KDDIで450億円、三菱地所89億円など、消化できるかどうかが見ものであるが、閑散市場だけにこのリバランスは非常に今週の精神的重石だと考えます。今後またプライム市場の入れ替えなど、昨年から相次いだ取引所の動きは迷惑な話で、金利や経済にナーバスな時期なのに「粛々と」行なわれています。

昨年から何度も行なわれた市場の名前の変更や組み替えは、後から上がれば良いという物ではなく、そのたびに市場は荒れてしまい、外資や法人大手証券会社は儲かっています。PBR1倍基準をいう東証は、政策投資の売りやこうしたリバランスをこなしてまで、命令に準じるのは非常に酷であり、尚かつ、自動車メーカーに関してのGDP下押し懸念などを考えたら、この閑散に早くも転じた市場は8月に向って気が重くなります。

そして秋には立会時間の延長も言われており、働き方改革というか、我々一人で切り盛りする企業にとっては体がいくらあっても足りないし、疲労回復が本当に大事な物になってくる。いずれにしても、この場面で下がってきた株式の反発やグロース株の反発がないようだと、先ずこの市場は乗りきれないと思います。2月決算物がいかに動くかも興味深いです。

意外にこの閑散相場は仕手相場と割り切った方が気が楽です。