今週の見方【9月8日】
数字的には雇用統計も失業率も及第点。しかし、9月4日(米国時間)に発表されたベージュブックでは、景気減速を示す地域が前回の報告から増加していたこともあり、週末のNYは雇用も強いわけではないとして売り込まれた。確かに理論としたら正しいが、朝から週末は先物業者が「日経平均売り」を朝から叫んでいたし、結果はどうあれ売る気で市場に来ていたと思う。レーバーデー後は株式が安いことが多いと言われるのは、バカンス明けの投資家が納税のために換金するケースも多いし、今回のように8月に一度大きく下がり、不透明な経済という事になると、「早く換金しておきたい」という流れがあるのだろう。
日本株は商品系の空売りが厳しく、そのそも方向感のない薄商いだった市場は、リバランスの売りを処分されたら簡単に沈んでしまう。先物業者はこうした市場の弱さを上手く見ていたという事であり、筆者もはじめから「買い要因は無い」と話していた。しかし、それにしても酷い下げであるが、毎月ブラックマンデーが起ったらたまった物ではない。売りで狙われやすい日本市場は、基本、為替が円高になれば下がるという考えもあるから、外資はこの円高で損をしていないケースも存在する。
理屈を言うと、ここまで下がると日本株は買い要因が生まれてきて、日経平均のPERは15倍であり、法人統計調査では好調が続いている。そこに為替分があると言われるが、QC(Quickコンセンサス)DIという物が上昇している。つまり、専門家は弱いとは思っていなく、むしろ直近は円高になっても克服している企業が多いという事になる。だから、アナリストはこの下落にはついて行っていないと思う。
従って、この下落は9月の中間決算を控えて動きにくい日本の金融機関に、政府が行なう政策投資の解消などで売りが増えて来たら、市場は吸収できなくなっていたという事なのだろう。ましてやファンドのリバランスなどは異常なくらいの金額が市場に出てくるのであり、そう考えたら市場はゆっくりとした動きで上がってくるならば分かるが、ここ最近のように不可解な上げは再びこのような下落になると思わなくてはならない。
今週も米国での経済数値が出てくるが、それは脅しのような物で、米国人よりも日本人に効きやすく、先に市場の始まる日本は「いかにも料理出来る」という事なんだろう。雇用統計までがCPIやPPI、そしてFOMCに引っ張られると思ってしまう文章が段々増えて、それを信じていたら勝手に上がって行くような、おかしな流れになっていくのだろう。明日が再び「ガラ」が出来てしまうが、大幅な下落も毎月になっていくのかと。
総理大臣候補は金融所得課税をアップするとか話ししていますが、現状やるべき事が違うと思います。売る理由が無くなった株式から打診します。