4月30日:今日の市場の見方

「軽量株に目が向けられるかどうか」

市場は閑散としていますが、月曜日の市場では売りが出にくい状況でした。外資系が少し強気のレポートを発信し、「日米交渉次第」としながらも買いに出ているのは、日本への影響を各外資が計算し、世界シェアや米国向けの輸出シェア、落ち込みと必需量を考慮した結果だと思われます。この計算が「コンセンサス」であり、外資系のコンセンサスがずれると、市場は大きく動きやすいと考えられます。この数字と考え方を元に、アナリストが出す企業のコンセンサスが形作られるのでしょう。まだ公開はされていませんが、この計算に基づき、運用をコントロールするため、トランプ氏の思いつきの数字にAIが反応するのはそのためだと思います。

この状況で、上げ下げ局面で売りが出てこないのは、非常に強気な印象を与えます。もちろん、日米協議次第だとは思いますが、少しニュアンスが変化してきているように感じます。つまり、外資が買いに動くと、「強気解釈」の記事も増え、それを拡散するメディアが協力的に動くことで、交渉後の記事までのシナリオが作られているのではないかと思います。

ただし、企業によって状況は異なります。外国人投資家は大型株に注力する傾向があり、その流れで注目されるのは、メリット系の企業ではJR東日本や山崎製パン、売られ過ぎ評価を見直すべき企業としてトヨタや日立などが挙げられます。三菱重工などの防衛関連株が目立つのもその影響でしょう。そして、原発関連銘柄が絡んでいる中で、業種間での循環物色が行われています。全体水準が停滞した時に、軽量株に目が向けられるかどうかが今後の焦点です。

一般的に、5月に軽量株が強いのは、ヘッジファンドなどの運用が決算後に少し需給が変化し、手仕舞いや値段のドレッシングが行われるためです。このタイミングで、一部の企業が上昇し、いわゆる「都合の良い売買」が多くなります。その中で、IPOなどが株主総会を意識して動き出したり、出遅れ株が再評価されるパターンが見られます。個人投資家やアナリストが活躍しやすくなる局面とも言えるでしょう。自分は今の時期、少し時間がかかっても冷静に好決算が期待できる軽量株の押し目買いをするのが常です。