EUとメキシコに関税30%(7/14朝の講義)

EUには甘いという見方が以前からありましたが、先日からの舌戦の影響なのか、米国は少しきつめに関税をかけてきましたよね。ですから、たとえ最終的に関税率が低下したとしても、NY市場では急騰が続いていた分、さすがに少し“お疲れ気味”に見えるところもあります。需給で上げを潰された日本株の方が、今は苦しいと思いますよ。それでも、この相場がまだ“生きている”のならば、個別銘柄の動きには少し変化が出てくるんじゃないかと見ています。

そういう意味では、6707サンケン電気がどう動くのかが興味深いですよね。もし上がるとしたら、こういう“動きかけた”銘柄や、在庫処理が一巡して収益が本来の姿に戻ってきた企業に注目が集まるのではないかと思います。先週末は指数が下がった流れでしたが、それでも個別株は強さを見せていましたし、「今回は日経平均が上がったのだから、調整も日経平均だけで済む」と割り切れるようなら、この市場は案外しぶといな、という感じがしますよね。

とはいえ、本来の“経済”の話に戻ると、今回のような関税対応によって各国の立場が不利になってしまう側面もあります。とくに、自動車のように米国企業との競合が存在する業種では、収益が落ち込むリスクも出てきます。結局のところ、シェアを守るためには「値下げするか、米国での現地生産に切り替えるか」という判断を迫られることになりますし、逆にシェアが高すぎる製品にはあえて関税をかけないという方針になっているので、考えてみると都合のいい制度ではありますよね。

今日は、どのような動きになるかをしっかり観察することが大事です。下げた後に何が動いてくるのか、あるいは渦中のファーストリテイリングがどう反応してくるかなど、よく見ておくべきだと思います。日経平均を意図的に潰しに来ているような雰囲気も感じるので、そこは要注意ですね。今週は分岐点になりそうなので、非常に気になる局面です。

6330東洋エンジニア、9989サンドラック、6597HPCシステムズ