裏腹(9/11朝の講義)

「10日の日経平均は+378円の4万3837円となり反発。米国株式市場はまちまち。ダウ平均は220.42ドル安の45490.92ドル、ナスダックは6.57ポイント高の21886.06で取引を終了した。」

何度も話しているように、米国株の強さが金利低下期待によるものだとしたら、経済そのものは良くはないわけで、非常に微妙なんですよね。確かに教科書通りに解釈すれば「金利低下 → 債券投資減少 → 株高」となりますが、実際には企業業績が落ち込む局面もある。そうなると全ての企業が上がるわけではなく、一部だけが大きな収益源になる。そのため儲かる業種は集中して賑わいますが、時には大きな調整も起きやすいということです。

ただ、運用の現場で見れば、集中化するから株式はレシオ上買いにくい。一方で債券は金利低下狙いで上昇しやすく、堅い投資対象として物色されやすい。つまり、理屈と現場の感覚は大きく違うんです。だからこそ、メディアが机上の理論を煽るように書き立てると、過去の例を見てもろくなことにならないわけですよね。

日本に目を向けると、金利上昇懸念は外国人投資家にとってネックです。米国は色々言いますが、日本経済がここで頓挫したら、金利上昇は非常に危険な局面を招く。河野太郎氏のように「金利を上げろ」という理屈は正しいかもしれませんが、黒田政策の影響もあって、いきなり机上理論通りに現実がついてくるとは思えません。

まあ、どうするかは分かりませんが、考えておきたいのは「株式市場が過熱している時は、少しの休みでも意外と大きな調整幅になる」ということ。SQ後が必ず安いとは限りませんが、その前に動きすぎるのも問題だと自分は思っています。

8015豊田通商、3407旭化成、3150グリムス