リスクオン(9/19朝の講義)

「18日の日経平均は+513円の4万5303円となり反発。米国株式市場は上昇。ダウ平均は124.10ドル高の46142.42ドル、ナスダックは209.40ポイント高の22470.73で取引を終了した。」

アルゴ取引の活発さと先物の薄さに加えて、45200円から追証になる先物売りが市場で観測されていました。結果的に“非常に上がりやすい日”となり、株価は急騰。ただし、そこには「天井が近い」という観測もあったので、売りから入る人も多く、それを飲み込んでいく展開でした。買うから上がる、上がるから買う、さらには恐怖からの買い戻し。まさに市場らしいハチャメチャな動きです。

そこへ市場の期待である高市氏の出馬ニュース。関連銘柄が動きやすくなり、一度走り出すと止まらなくなります。どういう作用かというと、先物を売っていた人が「まずい」と感じたとき、水準そのものの買い戻しではなく、効率の良い銘柄でヘッジするんです。例えばミニ先物を売っている場合、日経平均が100円上がれば1万円の儲けが出る銘柄に投資しておく、というような形ですね。

そうなると寄与度の高い株に資金が向かいます。ただ、それをプットオプションの売りなどと組み合わせるものだから、市場の方向感はますます掴みにくくなります。日経平均は売り姿勢なのに、手持ちは下がったら大幅損失になるようなポジション構成に…という状況です。プロはそういう運用をしますが、常時市場を見られない個人投資家には危険な行為。だったらシンプルに寄与度の高い株を買う方がまだマシです。

売り方が崩壊する中で繋ぎ売りの買い戻しまで入り、まるで「好景気で経済も安心」という錯覚を市場に漂わせています。相場は懐疑の中で生まれるといいますが、金融相場の怖さでもあります。

8253クレディセゾン、8113ユニ・チャーム、3864三菱製紙