8月3日:今週の市場の見方

今週の見方

米国の雇用統計が大幅に下方修正されたということで、市場では「景気が大幅に減速している」という判断が広まりました。いきなりそんな話が出てきたのなら、もう仕方がないですが、驚いたのはその内容。5月分が14万人から1万9000人へ、6月分も14万7000人から1万4000人へ修正されました。

いや、これは「修正」というレベルではなく、公的な統計で“桁”が違うなんて、しかも2ヶ月連続って、トランプさんが怒って「クビだ!」って言ってもおかしくない話ですよね。もしこれが本当に正しい数字だとするなら、統計の根幹が崩れているような気がします。

市場の現状と課題

こうなると、「FOMCもやり直しじゃないの?」って気になります。トランプ氏の肩を持ちたいわけじゃないですが、この数字が出ていたのなら、もっと議論は違うものになっていたと思いますし、それを知っていたならもっと早く修正すべきだったと思いますよね。

いずれにしても、市場が驚くのも当然で、米国株の反発も鈍かったのは仕方ないでしょう。そうした中で何らかの公式コメントが出てくれれば市場も面白くなるのですが、それもなく、カナダへの関税は35%、ロシアとの関係もきな臭くなってきているという状況。これでは週末の市場心理が回復するのは難しかったと思います。

今後の展望

ただし、米国は関税収入がかなり増えてくるので、消費自体はまだ拡大する可能性があるとも思っています。米国民は声に出しませんが、「関税が上がって税金が安くなるなら、まあいいか」と思ってるような国民性もあると思うんですよね。

何より、「こんなに不景気だったのに誰も気づいてなかった」っていう事実の方がインパクトがある。もし雇用統計が本当に役に立たないものなら、それはそれで問題ですが、逆に言えば、市場はもうその辺を割り切って動いているような気もします。

NYよりも日本の時間外の下げの方がキツいことを考えても、米国は意外にこうした下落には強いと思います。日本株についても、外資が露骨に売り出していないので、昨年のような展開とは少し違うのかもしれません。今回は“事故”的な調整で、また戻ってくるのでは?という気もしています。

最後に

いや、もし本当にそこまで不景気だったとするなら、普通の人は5月や6月にはもう体感していたはずですよね。そこに気づけなかったというのは、やっぱり「分析する人たちがお金を持ってるから、生活実感が違う」ってことなのかもしれません。

ともかく、突っ込んだ局面に備えて、今のうちに個別銘柄を整理しておこうと思います。