8月17日:今週の市場の見方
今週の見方
いやぁ、このシリーズは完敗ですね。ここまでの速さで来るとは正直思っていませんでしたし、自分の中ではまだ解決していない問題が、相場ではまったく問題視されていない。こうなると噛み合わないまずです。先日の雇用統計の時、「令和のブラックマンデー再び」と書いていた日経が、先週の日曜から急にポジティブな論調に変わって、関税問題は「大方片付いた」としていました。つい少し前までは、自動車関税の時期や80兆円の使い道が不透明だと書いていたのに、金利の話が出ても特に気にしないような内容に変わっていましたよね。
市場の現状と課題
自分は気になると解決するまで引きずるタイプです。週末のGDP数値は円高要因になるから外需株は買いにくいし、銀行株だって急に金利が上がるとは思えません。それなのに、空売りでも入ったのかと思うような上げ方で、飛ぶわ跳ねるわ、大引け買い物になっていました。週末の手仕舞いは買い方そのままで、売り方が気持ち悪くなったパターンでしょう。
ただ、こういう上げ方は珍しく、昭和時代にあった「夏枯れ相場のカチ上げ」を思い出します。「天神天井」と呼ばれる、大阪物の天井が空売りで引っ張られる展開で、何日か続くことがあるんですよ。昭和56年の天井なんかは印象的でしたね。
今後の展望
来週には運用者が戻ってきますし、ファンドのリバランスやGPIFの売りにも注意が必要です。金利が上がれば輸出関連は気になりますし、これまで好調だった不動産株も見ておきたいところ。基本は好業績がベースですが、ここからはバリュー株も視野に入れていく流れでしょう。
関税で景気が良く見えても、給与が上がりにくい業種も出てきますし、米国向け輸出は単価を下げざるを得ないケースもあるはずです。駆け込み需要の影響で、中間決算が意外に悪くなる可能性もありますし、金利上昇が円高につながることもあり得ます。個人的には、もう少し先まで金利は動かさない方が景気は読みやすいと思いますね。
最後に
どんなに驚くような上げであっても、常に慎重さは必要です。もし週明けから同じ勢いで上がるなら、もう狙いは出遅れ株くらいしかなくなります。現時点では、そんなに良い景気にはならないと思っています。内需好業績中心の物色でしょう。