10月26日:今週の市場の見方

【源太カレンダー2026】発売のお知らせ
🗓 発売日:2025年11月4日(火)
💻 電子版:11月4日(火)10時より購入可能
📖 冊子版:期間限定受付(11月10日〜19日)

投資家のための先読みカレンダー。

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今週の見方

高市政治は「強い経済を作る」と言っていますが、そのために必要な“信頼”をうまく作ってきていると思います。過去の総理大臣の中でも支持率は高い方で、現在の自民党の支持状況や他党乱立の状況から見ても、相当な信用度があると感じます。実行力や可能性は未知数ながら、できること・できないことを明確に所信表明で述べ、野党案の修正も今後するとしても、ほとんどを取り込んでしまう姿勢は、野党も賛成せざるを得ない状況。時間を節約しながら“協力を呼びかける”というのは、過去の自民党からは考えにくい動きでした。

市場の現状と課題

その分、今後は党内や「詰め」の部分で問題が出るかもしれませんが、わかりやすさと明快な表現は、政治に疎い層にも伝わりやすかったと思います。いや、話がうまくなったというか、貫禄のある会話というか──掴みとしては及第点以上でしたね。自党案を消して他党の案を採り入れる姿勢は、できそうでできないことです。しかも、それを自分の手柄に使わずに進めるあたり、「さっぱりしている」という意見が市場内でも多く聞かれました。

片山財務相についても、当初はどうかと思っていましたが、頭の良さが光る受け答えで、2人とも疲れたり苛立ったりせずに、このまま頑張ってほしいと思います。特に支持しているわけではありませんが、今の海外情勢の不安定さの中で、一カ所でも“安心できる場所”があることは本当に大きい。できる・できないは別として、空白期間が長かった分だけ政策は遅れていますが、「できることは一気にやる」という気概が感じられます。

今後の展望

そうしてくると、目が慣れてきたのか、4万9000円という株価も異常には感じなくなってきます。慣れと、今後の景気刺激策への期待がそう思わせるんでしょう。個別株を見ると、寄与度の高い銘柄に比べて割安なものが多く、しかも寄与度の高い銘柄には空売りが多い。だから、なかなか落ちてこないんです。

こうした見方が広がってくると良くないのですが、その“強気”が外国人投資家の買い意欲にもつながっているのかもしれません。加えて、米国政府の閉鎖問題もそろそろ終結しそうですし、トランプ氏もFRBに金利引き下げの口実を与えるように、わざと雇用統計を悪くしている印象です。来年に向けては、減税や関税見直しなどの政策も出てくるでしょう。そうなれば、米中首脳会談を悪く見る向きも減って、目先は強気が多くなるのは当然だと思います。

最後に

ただ、その判断は、寄与度の高い銘柄の中間決算の数字や市場の反応を見てからですね。ソフトバンクの含み益をどこまで市場が織り込んでいるのか、アドバンテストのPER56倍が妥当な増益幅なのか──そうした点が基準になります。信越化学が週末に12%の減益を発表しましたが、AI向けでは好調でした。そう考えると、集中化した“寄与度相場”も、実は業績相場の側面があると位置づけが変わってきます。その答え合わせとなるのが、これからの中間決算だと思います。