10月28日:今日の市場の見方
「仕方がないよね、こういう動きになったら」――昨日の市場関係者の会話はだいたいこんな感じでした。
まず、朝から下がるとは誰も思っていなかったですし、環境も資金も潤沢でしたから、さすがに昨日の上げを否定する人はいません。“5万円”と言っていた人たちは、今や“年末6万円”を目標にしているくらいです。それくらい朝から強気なムードが広がっていましたし、実際、高市首相の所信表明や外交対応も評価されていて、トランプ氏が好感を持っているというだけでも十分なんですよね。
もちろん、企業決算で悪い内容のものもありますが、先に下がっていた分、反応は鈍く、良い決算の銘柄は素直に買われています。環境的にも悪くないです。ただ、後場になると一般株はやや失速してきて、結局は「寄与度組」頼みの展開。市場関係者の間では「整合性からそこしか買えない」という声もありましたが、毎度のことながら、日経平均が抜けるときは結局“日経平均だけ”が上がるんですよね。
昨日は多くの株が上がりましたが、その多くの一般株は、10月に下がった分の半分も戻していないものがほとんどです。
そうなると、日経平均から逃げたくなる気持ちも分かりますし、買いが入りづらいですよね。つまり、「買うなら今動いている銘柄」か「先物」であって、“個別の割安株”という考え方が通用しにくいんです。
それでも、金融、商社、鉄道といった一角がしっかりしているので、次の仕込みが始まったようにも見えます。動く銘柄だけでも取れますが、市場全体に資金が多い分、少し時間が経てば、意外とバリュー系の“おとなしい銘柄”にも資金が回るんじゃないかと思っています。強いなら、ぜひ“大きな循環相場”になってほしいところですね。
