10月29日:今日の市場の見方

アドバンテストを見たら、「他の企業もいいんだろうな」って気になりますよね。ソフトバンクの含み益だとか、フジクラのデータセンター関連とか。すでに夏の時点で良い数字が出ていましたから、あとはメディアの取り上げ方や市場の勢い次第でしょう。水準面から見ても、そこまで怖さは感じません。ただ、この市場は広がりがないので、下がる企業も多いんです。割安だと思っても、今期の数字に少しでも傷があると“買い対象”にはならず、売られても買いが入りにくいという流れがあります。

それくらいナーバスな市場ですよね。昨日も、米国の財務長官が「本来の金融に戻せ」と発言したことで、日銀が金利を上げるんじゃないかという話になり、株価はあっさり下がりました。でも、今強い銘柄には本当に良い買いが入っていて、下支えするような雰囲気もありました。一方で、一般株は底が抜けたように下がり、水準的には日経平均が4万円前後の頃の株価まで落ちているんですよね。

そりゃ、今日は多少買いが入るでしょうが、少しでも“傷”があると目先では買いにくい。だから、動いている銘柄へ乗り換える人が多く、結果として“投げの対象”にはなっても“買いの対象”にはならないんです。とはいえ、グロース株はかなり安い水準まで来ています。技術的にはAIに関わるものも多く、技術者派遣系なども、そろそろ狙っていく動きが出てきてもおかしくないと思います。それくらい安くなってきました。

つまり、今の相場は“5万円の日経平均を牽引した銘柄”だけでは保てなくなってきていて、意外と電鉄や造船など、“次の産業”を見据えた動きが出始めているんですよね。だから結局、「日経平均を当てたいのか、それとも儲けたいのか」という話なんですよ。そこが投資家の意識の分かれ目だと思います。

自分は、ここは“今を捨ててじっくり買う”方向に向かいます。運用者は、ここからの水準ではもう買いにくくなりますからね。