9月12日:今日の市場の見方
ここまでの流れは「なんだったんだ」というような上げ方ですが、昨日の朝に書いたように「そんな気もする」という感じでしたよね。いや、ディーラーの感覚からすると、金融相場はアノマリーをぶっ壊すことで成立しますし、不景気が引き金で金融相場はできるんだから、儲かる企業や儲かる技術に先行投資の買いが入る。だからチャートなんてお構いなしの“買い”になるんです。
もちろん、空売りも入りますし、その先では大きな調整や暴落だってあり得ます。ただし、それが起きるためには主力株の位置が低く、ある程度調整していることが条件。だから、今引っ張っている銘柄以外はそんなに悪い状況ではないんですよ。結果として「8月同様のSQ後も強い」という雰囲気になってしまい、昨日もそんな感じが出ていました。本来ならトヨタが子会社などに部品の値下げ要請を出した時点で、市場は調整に入っていたと思いますけどね。
それを無視してここまで跳ね上げるのは、GSのコール買いが要因。その裏で44000円コールを売った筋から動きが始まったわけです。関税が決まった、石破首相が退陣、何でもかんでもポジティブに受け取る流れに加えて、記事では半導体関税や高市不利・小泉緊縮の話まで並べ、さらには日銀のETF売り出し懸念まで、全体的に弱気に書かれていました。中には「8月から買った外人が全部売るから大幅安」なんて記事もありましたからね。
訂正記事なんか出ないですが、結果的には外資の買いにとって都合の良い展開で、金融相場らしいアノマリー崩しが炸裂しているんです。今日あたりも「配当落ちの先物買い」が本来なら市場のリズムをおかしくする要因なのに、好材料として取り上げられている。まあ、なんちゅうか“やり放題”ですよね。
こんな中で寄り付き天井から下がるなんてことになれば、それこそ詐欺みたいな市場。今日はそういう要因も意識しないといけないんです。だから自分は、休んでいる株を丁寧に拾い、ポジションは超軽めで動いています。買うのはバリューというスタンス。金融相場では弱いですが、明らかに差が広がりすぎているんで、銘柄間の調整がSQ後から始まりやすいんじゃないかと思っています。
いや、無理して買う相場でもないと思うんですよ。