9月21日:今週の市場の見方
今週の見方
週末にかけて圧倒的に強気な見方が増えてきたと書きましたが、基本的にはアナリストの増額予想が目立つようになってきたというところです。ひとつは、これまでの「コストプッシュ型の値上げ」が「収益確保型の値上げ」に変わってきていること。人件費分の値上げと言いつつも、実際にはそれ以上の部分が収益増につながっているのが現実です。一昨年あたりから通帳の有料化やコインの取り扱い廃止、引き出し有料化などを進めてきた銀行も、アナリストの評価が変わってきていますよね。
市場の現状と課題
こうした「インフレ型相場」から派生した金融相場の怖さは、生活が苦しくなるほど物価が上がっていく点にあります。自分としては、どうしても好きになれない相場です。これまでは「危険だ」と言い続けてきたメディアも、一気に強気に傾いています。日銀のETF売り出しについても「市場に配慮した金額」と解釈され、一気に買い上がる動き。資金が集まり、さらに半導体を中心とした循環物色が続くことで、過熱感がかえって薄まり「持たざる怖さ」を生んでいます。
また、先物を売っても12月まで時間があるので、その代わりに日経平均に影響の大きい銘柄やETFを買う展開になっています。買うから上がる、上がるから買う…という循環です。今は上手く循環しているため過熱感は表面化していませんが、25日線からの乖離が進めば、グロースのコア型やバリュー株といった、これまで動きの鈍かった方に資金が向かうのが自然です。4592サンバイオが材料に素直に反応したのも、その流れの一部でしょう。
今後の展望
日銀問題にしてもトランプ関税にしても、簡単に打ち消されてしまう相場は、それだけ買い方の勢いが強いということです。ただ、現状の銘柄群だけの上昇では持続性に疑問が残ります。自分としては、作戦は「急なブレに対して強気に対応する」。つまり、上昇時には無理に手を出さないやり方になると思います。
この市場で一番注意が必要なのは、嘘や意見の変化が非常に多いことです。「事情が変わった」という便利な言葉で、多くが意見を翻してきます。トランプさんなんかはその典型ですよね。今は静かに見えますが、このまま黙っているとは全く思えません。メディアが再び取り上げ始めれば、相場の空気はすぐに変わると思います。
最後に
今週は強気の風が吹いていますが、過去のパターンを考えると油断はできません。銘柄の循環を意識しながら、ブレに対して柔軟に、無理をせず見ていくことが大事だと思います。
