9月24日:今日の市場の見方
週末に札幌でセミナーを行い、体調もあって月曜日は休んだんです。日経平均は強いままで、上げ下げしながらも結局は上という感じでしたよね。昨晩のNYを見たら少し流れが変わるかもしれませんが。
それにしても、上がる要因が段々リアルに変化してきました。インフレ経済だから「株は上がる」という説明も多いですが、最近では「経済が本当に良くなる」という見方まで出てきています。日本の半導体株が安すぎるというレポートもありますし、4万円攻防のときに言われていた「トランプ政治の不安定さ」や「4万3000円って早すぎない?」という会話が、あまりの強さに今では口に出せない雰囲気になり、無かったことにされています。無茶な部分は確かにあるんですが、この勢いは相当で、「買えないから売る」という行為が「下がらないから買い戻す」に変わっているのです。
強気の多くは、トランプ氏が中間選挙に向けて減税を含めた景気刺激策や関税問題を片付けていくだろう、という思惑に基づいています。それに加え、日本企業では人件費や輸送費の上昇が原材料高を上回ってきていて、その分を価格転嫁できている。結果、通期の減額修正は限定的という見方が主流です。要するに「値上げできたから増額修正する企業が続出した」という状況で、便乗も多かった。だからこそ、ここからさらに上げる公算が大きいというわけです。ちなみに、4万円攻防のときに言われていた「統計では4月から賃金が下がっている」という話は、いったいどこへ行ったんでしょうかね。
結局のところ、企業は収益率を守るために値上げしている。それに日本の消費が本当に追いつけるのかは疑問です。しかも、日鉄に対してトランプさんは「高炉は止めさせない」と言っていて、効率の悪い高炉でも止めさせない。雇用整理も許さない。さらにG7には「親ロシア国に関税をかけろ」と要望している。これ、上手くいっていないから必ず再度プッシュしてきますよ。聞かなければ「関税上げるぞ」と脅す。自由貿易が守られなければ世界経済は変な方向に行きます。
悪くなる、株が下がるというわけではないですが、経済の実態は4万円乗った頃とあまり変わらないと思います。メディアの解釈なのか市場の解釈なのかは分かりませんが、とにかく今は強気が多すぎる。こういうときは、もし上に行けば皆さんの想像以上に上げるんでしょうし、日程的にも「紙一重」の月末需給と10月の運用再開を考えたら、アナリストは結局「押し目買い」と書くはずです。
ただ、自分としては「だとしたら」と思っていて、もし本当に強いなら重電や通信大手がどう動くかが鍵だと思います。他にも、来期から良くなる企業に注目しておくことも大事な気がしています。
いやぁ、自分は同じ銘柄ばかりを追うのは苦手なんですよね。
