10月5日:今週の市場の見方

今週の見方

自民党総裁選は、高市早苗氏が決戦投票になると不利だと言われていましたが、小泉氏のミスの連続もあり、議員票でも上回る大勝で幕を閉じました。自民党内部でも驚きの声がありましたが、一部の情報系では「安倍氏以来の拡大政策ができる高市氏を米国が望んでいる」という話もありましたから、林氏や茂木氏の動きによっては「どうなるか分からないぞ」という空気もありましたよね。

株式市場にとっては追い風となる部分はありますが、ここからは株価が少し上がっても、他党との調整や落としどころを探る展開になります。景気拡大策に関しては、誰が首相になってもやることは変わらないですし、エネルギー政策についても「プラズマ発電」と言っても商業化には至っていません。防衛問題でも「日本製品」ではなく「米国製品を買え」となるのが現実でしょうし、その辺りはやりにくさが出てきそうです。

市場の現状と課題

今年はアノマリーを塗り替えながら進んでいるので判断が難しいですが、8月以降は外国人が信用買いを進め、裁定買い残はピークに近い水準まで積み上がっています。AIや半導体といった「日経平均を押し上げる銘柄」が賑わっていますが、むしろここは一週間売られた株式を買う方が良い場面だと思います。好材料出尽くしを頭に入れておくなら、対角投資の発想が大事でしょう。

とにかく何でもかんでも売られた感がありますし、製造業の強気が少し気になります。食品の値上がりは人件費や運搬費に起因している部分が大きいので、今後は幅広い商品に影響してくるでしょうね。

今後の展望

植田日銀総裁が「様子を見る」と発言しても、もう一度値段が動き始めたら、今度は厄介な金利問題に発展しかねません。そこを高市氏がどう切り盛りするのか、トランプ氏とどう渡り合うのか、そして組閣で誰がどのポジションにつくのかで方向性が見えてくるでしょう。

自分はもともと慎重派なので、今回のような相場ではなかなか上手く立ち回れません。ただ、市場には資金が潤沢にあるので、売る人もいれば買う人もいるという循環は続いています。結局は、その流れをどう捉えるかなんですよね。

最後に

一押し欲しい場面ですが、外資はSQまではポジションを維持するでしょうし、売っている側はかなりきついはずです。だからこそ、今後の政策対応が本当に大事で、そこからが本当の相場になると考えています。

現状は「半分夢のような動き」と「金融相場」で成り立っていますが、この金融相場は一歩間違えれば敵にもなります。組閣次第で大きく流れが変わる可能性もありますし、何となく官僚の力が一段と強まるのではないかという気もしています。