今週の見方【6月30日】

想定外に強い市場は今週の特需がいかに作用するかであり、昨年の例から行くと配当環流の分配金と同時に先買いしていた先物の売りから、急騰後の急落という形がある。今週に関しては勢いが強く、AI中心とした物色が続くだろうが、これに打ち勝つような動きになれば今年の1月のように「本来弱い月」のアノマリーを覆すような強さになる。ただ、筆者は「警戒しながら」という姿勢を変えないのは、一部の企業という物色は個人投資家にとって非常に辛く、バイオはじめ既に手が出しにくい企業は多く、めぼしい企業は大方物色されている。

ただ、今回は長く下がったバイオなどの強さや電鉄などの切り返しが始まり、多くの個人投資家が助かったのも事実。従って、市場は資金的に余裕はあるが、何を買って良いか迷うという部分で、その根底には①日本経済の不透明さと②明らかに数字が下がってきた米国経済という背景がある。そうした動きは日本株を先々週まで大きく売って来た欧州勢の動向があり、7月7日の決選投票も不気味であるが、総じて各国の中央政府の人気が悪く、欧州勢は資金回収に向って急いだという見方がある。

欧州問題は非常に重要であるが、巷で言うような異常にクローズアップしたくはない。というのは、週末も上がってきた市場になると極右勢力が実は中道気味だという報道に変わってくるし、実体的には極右勢力の中も複雑で「造反有理」の考え方もいれば、政権を取るための穏健派も存在するという事。日本の岸田さんの支持力の方が低い状況にある。欧州が危ないというよりも日本が駄目だと思った方が考えやすく自己責任となりやすい。

米国もあの討論会はいただけないのであり、バイデン氏は討論会を断った方が良かったように感じる。もしくは新しい候補なら今からでも間に合うという気がしているのであるが、明らかに老人であり、アドリブ的な判断は出来ていない。トランプ氏が有利なのは明白。ただ、なんで踏み込んだのかというと、第三の候補を封じ込む部分があったり、バイデン氏にビデオを見て諦めさせるという考え方も出来る。オバマ夫人とか人材はいないわけでは無い。

いずれにしても日米の首魁問題はまだまだ二転三転するから、秋相場は相当難しい。しかし、言えるのは現在の政権への不満だから、変われば一時的にでも株価は反転するとも言える。7月相場はその器財などから上げ下げ極端だろうが、需給と経済的な不安から筆者は資産保持を先ずは全面に考え、その流れから判断するという事になる。バカンスなども考えればSQ週の需給で市場が決まると思う。

今週は強いのでしょうがね。