読めない経済(2/25朝の講義)

世界同時株安を唄う文章がこの休みで目立ちましたが、はっきり言って、米国の数字は本来あそこまで反応するもんじゃないと思っています。ただ、需給が変わりやすい場面だと、何度も指摘してきたように、何か一つ新しいことが出ないと、市場は材料不足の中で売り圧力が強くなるんでしょう。いつも市場がおかしくなるときは、需給の悪さが原因ってのが特徴です。

今回の米国インフレ懸念と景気の鈍化は、そもそもの「関税経済」という枠組みで、ドル高が基本という米国当局の思惑とは違い、物価が上がって見方が思い通りにならなかった、ということになります。ただ、一回の数字だけで判断するのは早計だし、ほんとにそこにトランプ氏の目標があるのかも疑問です。

関税経済については週末のレポートに記したので割愛しますが、政策では金利を下げろと言いつつ、ドル高というものが付いてこないと、関税がそのまま物価高につながるのは当たり前の話。ですから、危機視する要因も分かります。しかし、金利低下を望む大統領は、同時に強いドルも求めているし、関税収入はトランプ減税の資金源として譲れない部分もあるんです。そんな複雑な事情がある中で、この一ヶ月の数字だけで将来を憂うのは、少しおかしいと思います。

そこに、中国でコウモリから新しい感染症の話が出たり、日本の金利上昇の話が出たりして、売りに拍車がかかる。まあ、いつもそうですが、最後に違う懸念を乗せてくると、どうも作られた感じが否めません。MSCIなど、需給が迫るといつもそうなるんです。一方で、今週から米国では配当環流の時間になってきますし、下がっても買うべきところは、将来に向かう技術に絞られています。だからこそ、冷静に米国の関税政策の無理筋について、ロイターなどが三ヶ月前から言っている話が正しいのか、現実とどう摺り合わせるかを考えるべきだと思います。

こんな状況で、もし日銀の総裁が下手なことを言えば、昨年の夏の再現で、AIと切り取り記事によるパニックが起きるんです。メディアは、その責任を中居君の事件と同様、一切触れようとしません。パニックを起こした満足感で一杯なんですよ。だからこそ、5日の内田副総裁の講演内容がどうなるかが気になるわけです。スタグフレーションに片足突っ込んでいる以上、結局は儲けやすい日本がターゲットになるのは目に見えています。日程は、先日の福岡セミナーで話した通りの展開になるでしょう。

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