12月4日:今日の市場の見方
この市場は本当に手強いという印象で、体調も悪いせいか頭がおかしくなりそうな感じです。結果として、債券安が今後も生まれやすく、その損金を作る弱さと、下がったテック株を買う流れが同時に出ているんですよね。だから、上がる物には乗りにくく、下がる物には興味が湧かないという現象で、本当に辛い市場です。発想が湧かないんですよ。
特に、債券安という現象は、金融庁が最終利回りで考えなくなったために起きているもので、最終利回りで国債投資を考えていた過去からすれば、いくら指導とはいえ「毎回買い・売り替えをしろ」というのは辛い話です。なんともおかしな仕組みですが、こうした経過が一時的な需給を呼び、金利上昇そのものより“売らなきゃならない理由が存在する”という制度の方に問題があると思っています。
「国債は満期には必ず資金が戻る」という前提を否定しているような状態で、実際に「元本は必ず戻るものではない」と当局から言われた運用者も多いんです。ということは、財務省の立場上は「日本国債は信用できない」という話になってしまうわけで、いくら“立場上”だとしても相当おかしなことですよね。
実際には、最終利回りで買うべき国債は別の管轄なのですが、メディアは利回りが上がるたび「◯兆円の含み損」と報道します。しかし、本来その考え方自体がおかしいんです。その拡大解釈が進んでしまっているから、市場には売りが多く出てしまい、逆に保持の少ない寄与度の高い銘柄が普通に反転しているという状況なんですよね。
今日も難しい市場になりそうです。
