12月5日:今日の市場の見方
この市場は本当に手強いという印象で、体調も悪いせいか頭がおかしくなりそうです。結果的に、債券安が今後も生まれやすく、その損金を作る弱さと、下がったテック株を買う流れが同時に出ているんですよね。だから、上がる物には乗りにくく、下がる物にも興味が湧かないという現象で、本当に辛い市場です。発想がまったく湧かないんですよ。
特に、債券安という現象は、金融庁が最終利回りで国債を考えなくなったことが要因で、最終利回りで考えていた過去からすると、いくら指導とはいえ毎回買い・売り替えをするというのは辛い話です。なんともおかしな具合ですが、こうした経過が一時的な需給を呼び、金利上昇以上に“売らなきゃならない理由”が存在してしまうという、制度そのものが変な状況なんですよね。
「国債は満期には必ず資金が戻る」という前提を否定しているような状態で、実際に「必ず元本が戻るものではない」と当局から言われた運用者も多いんです。ということは、財務省の立場上は「日本国債は信用できない」という話になってしまうわけで、いくら“立場上”とはいえ相当おかしなことだと思います。
本来、最終利回りで買う国債は別の管轄なんですが、メディアは利回りが上がるたびに「何兆円の含み損」と報道します。しかし、あれ自体がそもそもおかしな考え方なんですよね。その拡大解釈が進んでしまっているから、市場では売りが多く出てしまい、逆に保持の少ない寄与度の高い銘柄が普通に反転している、というわけです。
今日も難しい市場になりそうですね。
