12月7日:今週の市場の見方

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今週の見方
強くなってほしいものの、非常に難しい展開が続いており、危惧する点が多いです。FRBの方針が金利低下で落ち着いたとしても、次回からタカ派が入り込むため、金利低下が持続しにくいことは多くの市場関係者が理解しています。しかし、市場は木曜日のように「なぜ上がるのか分からない」ような上げを演じたり、議長交代の話が出るとトランプ氏は金利低下を唱えて指名するだろうと言われ、市場にはプラス材料に見える一方、金融政策のすれ違いが意識されて株価が下がる場面もありました。
取り方次第とも言えますが、もっと深い部分を考えるべき局面だと思います。ただ、その“深い部分”が今は読みにくい。AIは現在起きている事象をもとに今後を判断するため、出尽くしをインプットされれば全ての数字を負に振り、良好と判断すれば素直に上がるという動きになるでしょう。ですから、現状は少し懸念を持ちながら見ていく必要があると感じています。
市場の現状と課題
特に日銀の金利上昇局面では、過去の米国や欧州のデータが上書きされる可能性があります。日本の文言は解釈が難しい部分があり、過去にも解釈違いから大きく下がった記憶があります。今回の植田総裁の会見でも「当分上がらない」とは言わないはずで、「今後もデータを見て判断する」という言い回しになるでしょう。
現在例示されるデータは、労使関係が非常にポジティブなものばかりで、金利上昇は必須という流れになっています。そのため、2月や3月という見方が正しくなる可能性もありますし、その場合、次回は優遇策と賃上げが決まる3月を目処とするシナリオが描かれていくでしょう。日本の金利は「一回では終わらない上昇」とインプットされる可能性もあります。
今後の展望
FRB・日銀会合を通過した後は、クリスマス休暇で需給が薄くなるため、上がれば売り方不在、下がれば買い方不在という難しい相場になります。米国金利下落と日本の金利上昇が同時に進むと、パフォーマンスは米国に勝てず、円高が投機筋に狙われれば、これまで牽引してきた半導体や機械輸出株は買いにくくなります。高くなった内需株の選択も難しくなるでしょう。
加えて、中国問題の拡大リスクも残り、高市政権を嫌う勢力が財界・知識人に多いという点も無視できません。最近の不可解な動きを見ると、市場が“操縦の練習”をしているようにも感じ、今すぐでなくともどこかで同様の仕掛けが出る可能性があります。そうした信号には注意が必要です。
最後に
結局は“動き次第”ではありますが、私はどうしても良いことより悪いことを先に考えるタチです。今週は特に、慎重に構えて市場を見ていく必要があると感じています。
