12月9日:今日の市場の見方

自分でも何をどうやるかが非常に分かりにくい場面で、ここまで苦慮するのは珍しいです。というのも、昔自分が自己売買や運用者の注文を受けていたときにも、“動きが止まる瞬間”というのがあったんですが、まさにその感じなんですよね。一つは市場がつまらない、一つは金利が動く、一つは今年の成績がほぼ確定しているという状況。だから普通なら来年の見通しを考えるのですが、米国の金利低下も“やらなくても良い”ものを政府の意向でやるわけですし、日本だって本来は金利を上げなくても良いんですよね。

つまり、一定の基準があっても、もともと金利が2.5%くらいの世界なら、今は金利を動かす場面では無いと思いますし、現状では上げるには少し早いんです。それだけ“金融の正常化”を目指しているわけで、総裁もよく我慢していると思います。だから今は、皆の気持ちがギリギリ切れそうな状況であり、あらゆる値段が“決めにくい”んですよね。

高いと言えば高いし、安いと言えば安い。夏からの上げ相場が鬱陶しいのは、尺度を変えたのが一部の銘柄だけで、その他の多くは中身が良くても「日経3万円台」の尺度のままなんです。PBR1倍、PER20倍は高い——という昔の感覚。でも、実際の市場は5万円に到達する水準になっていても、対応しきれていない。それなのに市場は、夢や希望より“今の快楽”を求めていて、AIだのテックだの将来を語りながら、動きは今だけなんですよね。

それくらい市場が疲れているので、今日も外資が何をやるのかが全てであり、材料出尽くしの可能性も高い。将来金利が下がらない前提なら、“今日本当に買えるのか?”という市場になります。だから人気の無い株式は失速しやすいんですよ。