12月11日:今日の市場の見方
このNYの上昇を“メインシナリオ”と見るか、それとも「やっぱり懸念どおりだよね」と受け取るかで、市場の温度感はかなり違ってくると思います。なんというか、揉めた気配というか、議長が文言を削った“意地”みたいなものまで感じられましたよね。要するに、今回の流れは「金利低下を継続していく」という話ではないということで、ここからは業績相場にシフトしていくと考えるのが自然でしょう。昨日の上げはどう見てもAIアルゴが主導した動きで、市場関係者が気にしているのは先のことよりも、むしろ“今”のクリスマスラリーに向けてどの好業績銘柄を拾うか、という部分だと思います。
だからこそ、日本株の舵取りが一番難しいんですよね。AIアルゴが「金利低下は織り込み済み」でも飛びついてくるということは、日経平均の動きが“既成事実の上書き”みたいな側面を持っていて、どこまで反応するのか読みにくい。実際問題として、今後AI投資が本当に拡大できるのか、メモリー不足で任天堂ですら生産に支障が出始めていること、そして半導体を確保するために価格低下を求められる企業が増えていることなど、設備投資側の懸念も無視できません。
さらに、データ不足を補うためのデータセンター投資は莫大な金額になり、これが回れば米国は儲かる一方、日本は遅れを取る可能性もある。金利高から来る国力低下もあり、「金利で動く市場」からズレ始めている感じがします。結果として、本来の円安はこういう背景で説明がつくわけで、来年はこの視点での投資が中心になっていくんじゃないかと思うんですよね。
まあ、そうした流れを踏まえて今日の市場を考えると、上がるなら半導体などはポジティブに動くでしょうし、逆に上がらないなら市場全体の売りが出やすく、個人投資家には不利な展開になりやすい。儲かるチャンスはあっても、日本市場はいつも心配のタネが尽きませんね。上がっても怖い、という独特の雰囲気が続くと思います。
