12月23日:今日の市場の見方
自分は正しいと思っていても、他人がそれを認めないことが多いのが株式市場ですよね。上手く行ったときは痛快なんですが、大衆が一斉に乗っかって成功する時の迫力は、やっぱり別格です。それがバブルであって、昭和の資産バブルや新世紀のネットバブルは、「買わない理由がない」と言われながら、そこからさらに二段上げした。あの時は、本当に多くの人が儲かった相場でした。
ただ、今年の市場はその一段手前だと見ています。言うほど儲からない投資の典型的な年であり、「自分だけ儲からない」という感覚も出やすい。実際、100銘柄くらい持っている人が、そのうち2割で大きく儲けて、残りは売り場がないまま利益が7割ほど削られ、損はしていないが達成感もない、そんなケースが多い気がします。
一方で、我々のように5銘柄以下で対抗する場合は、「いつ売るか」が最大のテーマになります。想定外に上がったら、諦めるか、空売りするかしかない局面も多かったですよね。今年は特にその判断が難しかったと思います。
そして昨日の上げですが、例年なら年末は高配当や出遅れに資金が向かうのに、今回はテック一辺倒。寄与度の高い銘柄だけを買う形では、この市場は続かないと思うのが正直なところです。短期のリバウンド狙いが中心で、個人投資家は工夫しても報われにくかった印象があります。
だからこそ、本来は社会インフラに関わる分野――道路修繕や原発関連など、地味でも必要なところが動いてこないと厳しい。昨日は結局、バリューが来なかった。その一点が、今の市場の難しさを象徴しているように感じますね。
