いよいよ石破総理が始動しますが、早速、玉木さんのスキャンダル問題もあって、この首相はラッキーとアンラッキーを同時に持っているような、不思議な存在だと感じます。思い返せば、自民党総裁選でも急落、一回目の首相就任でも急落、選挙でも下落。今回の就任も大幅安と予想される中で、意外に強さを見せています。でも、玉木代表の話で減税論者への官僚の反応が伝わってきて、自民は減税に前向きでも官僚が動かない、ということが浸透している感じがしますね。

最近も書きましたが、官僚は「現状の数字しか信じない」ため、例えば収入の壁を撤廃すると「これだけ収入が減る」と言うだけ。しかし、年収の壁が就業に与える影響には関心が薄いようで、「だったら独立した家計にすべき」と冷淡な意見を平気で出してきます。年末に差し掛かり、飲食店やカラオケボックスなどでは深刻な人手不足が起きていますから、こうした現場の感覚とはズレを感じざるを得ません。

そこで今流行っているのが、いわゆる「ギグワーク」や「単発バイト」。時間を買うようなアルバイトが増えていて、少額ながらその日に稼いだ分だけすぐに受け取れるスタイルです。この方式では申告せずに働く人も多く、特にデザインやネットコンサルなどの分野で顕著のようです。保育園で働いていた人が空き時間を活用したりする例もありますが、最近は「手っ取り早く短時間で稼ぎたい」というニーズが高まり、そこから「闇バイト」や「ホワイト案件」と呼ばれる怪しい仕事に流れてしまうケースもあるようです。実際には悪気がなくても、検索しているうちに犯罪に関わる案件にたどり着くことも若い世代では珍しくないといいます。

こうした問題を防ぐためにも、セキュリティやデータセンターの需要が増しているわけです。トランプ氏の政策が内需系を強化する方向で動いていたこともあり、こういった分野への投資が期待されていますね。