11月30日:今週の市場の見方

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今週の見方

市場は底堅さからじり高という感じで、IT系が一服してくれたことで、ようやく市場が正常に戻りはじめたと言って良いと思います。ただ、じり高と言っても日々のボラは相変わらず高く、市場関係者の多くは「疲れ」と「歯がゆさ」が入り混じって、相当フラストレーションが溜まっている状況ですよね。

そして、いわゆる“5万円公定相場”というだけで、火がつくと株価は飛ぶように上がる反面、外資などの買いが入っていないと、いきなり売り物に押される傾向もあって、なかなか気の抜けない展開になっています。

市場の現状と課題

何度も経験してきた「売ったら上がる」という地合いで、精神的にも疲れやすい環境です。材料不足と言われればそれまでですが、危険な材料がまったく無いわけでもなく、特に“いつかは来る”日銀の金利引き上げが、いずれ全体のトーンを落とすと考えています。ただ、現状ではそのタイミングがもう少し先だろう、という見方が中心でしょう。

つまり今の相場は、非常に“薄い板”の上で売買しているようなもので、相当慎重な売買が求められます。

また、長く休んでいた株式は多く、今期数字で立ち直りが見られる「増額修正」可能な企業は狙われやすい地合いです。上げ下げを繰り返しながらも、来期以降に通常の収益へ戻る企業は、その反転が大きくなることもあると思います。12月に本来出る処分売りは、すでに相当量が片付いている感覚ですから、ここからは“物色対象が変わるタイミング”に注意しながら、持ち玉の入れ替えをしていく場面でしょう。

今後の展望

バリュー株も魅力がありますが、グロース市場も意外と狙い目が多く、特に“売られすぎ組”の中からは、恐らく値上がりが期待できる銘柄が出てくると考えています。今年の市場では“大化け株”がいくつも出たため短期売買が増えていますが、中期投資家の握力は意外に強いんですよね。

建設株などが堅調なのも、「売らない人」が増えて品薄状態になっているからで、こういう現象は強さの裏付けでもあります。特にAI関連のグロース株は甘く見ない方が良いですし、「儲かっているのに株価が評価されていない」「AI活用で業績上積みも期待できるのに」という不満を抱えている投資家も多いだけに、動き始めたら想像以上に強いかもしれないと思っています。

最後に

心理的に“底が堅い”と判断されると、個人投資家は一気に向かっていく傾向があります。寄与度の高い銘柄の上げ下げで日経平均は読みづらい動きになりますが、その一方で、個別の強含み銘柄や、直近で動きが変わった株式にはしっかり注目しておきたいところです。

今週も、焦らず、バイアスに振り回されず、丁寧に見ていく相場だと思っています。