12月18日:今日の市場の見方
段々と疲れが溜まってくる市場ですが、昨晩のNYの動きで一気にその疲労感が表に出た印象です。どう考えても下値は堅く、皆それなりに踏ん張っていたところに、ここでオラクルを崩してきたのは正直意外でしたね。大事なのは、この局面で外資がソフトバンクまで本格的に壊しに来たら、相場全体がかなり脆くなるという点です。昨日は「テックは売りにくい」という前提で動いていただけに、今日はその気力自体が削がれてしまい、売り叩かれると他の銘柄にも波及しやすい流れになります。
気持ちの問題が大きいのですが、全体が調整色を強めてくると、材料株を拾うタイミングが遅れるだけでなく、年末特有の「来年は上がるだろう」という確信が薄れてきます。そうなると、持ち続けるための“握力”が一気に落ちて、「いっそ何も持たずに新春を迎えよう」という心理に傾きやすいんですよね。ですから、今日ここで下に抜けてしまうと、やる気を失って逃げに回る人が一気に増える可能性も否定できません。
ただ一方で、昨日上がったものを除けば、相当な下値水準にある銘柄が多いのも事実です。今日は、上がっていたものも下がっていたものも含めて、下値確認の動きが激しくなりやすいと思います。だからこそ、ここで一番大事なのは無理をしないこと。確認は朝一ではなく、少し時間を置いた方が良い気がします。市場関係者の動きを見ていると、どうも仕掛けはワンテンポ遅れて出てくるように感じるんですよね。昨日はGPIFが持ち高調整をしていた動きも見られ、株式を売って債券を買う流れが出ました。その影響でTOPIXが重くなったわけですが、こうした動きは基本的に今週いっぱいという見方で良いと思っています。
何度も書いていますが、日銀の政策を見てから売るという運用は本来ありません。売るなら、その“前”です。NY株も結局はクリスマス休暇前の整理が中心で、ひたすら換金というより、来期を見据えた信用の置き直しに移ってきています。結果として、下がるものは下がり、淡々と買われるものは静かに溜められている、そんな相場になってきました。
今は、その切り替わりのピークにかなり近い時間帯だと見ています。
